質問 ▽教育に関する諸課題について、少人数学級の拡大について、放課後児童クラブ支援員の待遇改善について、教員の1年単位の変形労働時間制導入について県の見解を。
▽豪雨災害の被災地支援について、7月豪雨などの災害で亡くなられた方々にお悔やみを、被災した皆様にお見舞いを申し上げます。
▽被災した中小企業の再建に対する支援について
大分県は、国が創設した「なりわい再建補助金」に災害とコロナの二重苦に悩む事業者に対して補助金を上乗せし、補助率を4分の3から6分の5に引き上げたことは、被災地でも歓迎されており、評価したいと思う。なりわい再建補助金なども活用しながら、被災した事業者の再建に向けてどのように取り組んでいくのか。
▽災害被災者住宅再建支援制度について
被災者住宅の再建については、国の制度拡充が進み、昨年の台風15号の被害で、一部損壊の家屋に対して部分的に災害救助法を適用し、市町村が上限30万円で応急修理を実施できるようになる。床上浸水に対して支援している5万円を増額すべきだし、床下浸水まで支援を拡充すべきと考える。県の見解を。
▽観光資源としての温泉の活用について、油屋熊八の物語が話題になっている。また、過去にはシンフロも話題になったように、大分といえば温泉というイメージは全国で定着し、昨年のラグビーワールドカップで世界にもそのイメージが伝わっている。
別府八湯温泉道は日本一の温泉地、別府の温泉を味わい尽くそうというスタンプラリー。別府には日本の源泉の約1割にあたる、約2,300の源泉があり、その中の約140湯の共同温泉やホテル旅館の温泉が、この温泉道に参加して、その中の88湯をめぐり「スパポート」と呼ばれるスタンプ帳にスタンプを集めることで、「別府八湯温泉道名人」の称号を与えられる。県全域にわたる「大分県温泉道」といった取組は行われておらず、「九州温泉道はあるが、大分県温泉道がないのは残念だ」との声がある。民間団体と協力して大分県温泉道に取り組んではどうか。
温泉という観光資源をどのように活用していく予定なのか、「大分県温泉道」の取組についても、県の考えは。
答弁 「少人数学級の拡大について」
少人数学級の拡大について本県では、今回の新型コロナ感染症予防対策として、国の第二次補正予算を活用し、教員22名の追加配置をはじめ、学習指導員やスクール・サポート・スタッフを多数配置。児童・生徒の学びの保障を図るとともに、感染予防・拡大防止に向けた取組を行っている。今後の議論の動向を注視するとともに、引き続き国に対し、少人数学級の推進や教育環境の整備を要請していく。
「放課後児童クラブ支復員の待遇改善について」
放課後児童クラブは、子どもの居場所として、また、働く保護者を支えるため、安定的な運営が求められており、支援員の処遇改善は、重要な課題と認識している。今後とも、放課後児童クラブの安定的な人材確保が図られるよう、市町村が行う支援員の処遇改善に向けた取組をしっかり支援する。
「教員の1年単位の変形労働時間制導入について」
この制度は、一日10時間を限度とする勤務時間の割振りと、延長分に見合う時間を 長期休業期間に休日としてまとめ取りするものである。
併せて、対象期間内の在校等時間の上限は月当たり45時間から42時間に、年間でも360時間から320時間に短くすることが義務付けられている。他県状況等も確認しながら、条例等の改正に向け検討を進めたい。
「被災した中小企業再建に対する支援について」
今回の被災事業者への再建支援については、次の二つを中心に進めていく。
一つ目は、被災した地域経済の早期回復。国は「なりわい再建支援補助金」を新たに創設した。県としても、新型コロナと今回の災害で二重に苦しむ事業者の皆さんを力強く支援する。独自で補助率を上乗せし、9月11日から申請受付を開始した。
国のGoToトラベル事業への参画が困難な旅館、ホテル等に対しては、県独白の旅行代金の割引支援などに取り組む。
二つ目は、事業継続のための将来を見据えた経営支援。災害からの復旧と持続的な発展を図っていくため、事業再開の支援に加え、当面の資金繰り支援。県としても、事業の復旧・再開に向け、立ち上がる際の力になれるよう、引き続き支援を行っていきたい。
「災害被災者住宅再建支援制度について」
県の住宅再建支援制度は、国の制度の対象とならない半壊や床上浸水も対象とし、災害規模の要件を設けず、1世帯の被災でも適用している。半壊から対象としているのは、半壊住家は居住のための基本的な機能の一部を喪失しており、生活再建のためには、多額の費用を要するとの考え方に基づく。
「観光資源としての温泉の活用について」
世界の温泉地発展に貢献する世界温泉地サミットの開催をけじめ、鉄輪の地獄蒸し料理や温泉利用型療養など特色ある取組の支援や、温泉がテーマの他県との相互訪客、HPやメディアを通じた海外へのアピール等を実施。こうした取組により、大手旅行誌じゃらんの調査で、本県は、旅行先選定の理由別ランキングの温泉分野で全国1位。コロナ禍で注目のワーケーションにも温泉の魅力を最大限に活かして、新たな層の獲得を目指すなど、今後も、温泉を活用した地域磨きや魅力発信に力を入れる。
「大分県温泉道」にも取り組んでいきたい。 (おわり)