別府市産業連携・協働プラットフォームB―bizLINKは「空き家・空き店舗再生セミナー」を21日午後1時30分、鉄輪上の冨士屋ギャラリー一也百で開催し、約20人が出席した。
別府の旅館・店舗の経営者の高齢化は著しく、旅館・店舗を居所のみに利用したり、そのまま廃墟となる例がある。これらの資産価値を観光財産として保全し、地域住民の住環境を維持することが目的。
はじめに、B―bizLINKの地域ビジネスプロデュースチームマネージャーの池田佳乃子さんが「鉄輪エリアの貸間再生事例の紹介」をテーマに話した。
「空き家などが増加している状況に、BーbizLINKや空き家再生を支援するNPO法人などが誘致活動に取り組み、この2年間で12か所が改築されギャラリーやカフェなどさまざまな業態の店舗に生まれ変わっています」と述べた。
続いて、NPO法人空き家サポートおおいたの山﨑真司代表理事が「『ゆめ十夜』のリノベーション(改築)について」をテーマに話した。
リノベーションする際に注意することとして▽新築より安く工事出来ると考えていても、内容によっては新築以上の工事費になる場合がある▽用途変更や増築等は、特定行政庁へ確認申請が必要になる場合がある▽確認申請不要な場合でも、消防用設備の検査、保健所による衛生設備の検査等が必要になる▽建物一棟を解体するより、一部を残して解体する方がコストがかかる場合がある―などを挙げた。
最後に、「べっぷ優ゆう」の管理者で「ゆめ十夜」店主の永松温子さんが「鉄輪エリアでの店舗運営について」をテーマに述べた。
「働くということを通して、地域とつながり、一緒にいる楽しさや生きがいを感じられる拠り所を作りたいと思った」と話した。
鉄輪の魅力として▽落ち着いた雰囲気▽ひなびた感じ▽おしゃれスポットもある―などを挙げた。
「ゆめ十夜に、温泉の帰り道に立ち寄られた人に『読みたい本がある』『ここができて良かったわ』『優ゆうで作ったクッキーね』と言って下さりとても嬉しい」と語った。
セミナー終了後、入船荘など10カ所でNPO法人空き家サポートによる個別相談会が行われた。