別府市と別府市医師会は「市民救急フォーラム・BEPPU」を8日午前10時、ビーコンプラザ・レセプションホールで開催し、市民、明豊高校、別府溝部学園高校ら約500人が参加した。今回で19回目。
市民に救急医療や救急業務に対する正しい理解と認識を深め、救急医療関係者の意識の向上を図ることが目的。
主催者の長野恭紘別府市長が「時代の流れが変化しており、特に救急出動の件数は平成23年に6千件を超えました。30年は6900件を超えています。高規格救急車の整備をし、救急救命士の養成をしなければならない。行政側で出来ることをし、大切な人の命を守るために知識や技術を習得して下さい」。
来賓の萩野忠好別府市議会議長は「若い学生に来ていただき、感激しています。このような催しが毎年、別府市で開催していることに嬉しく思います。別府市民や観光客に対して、救急対応できるようになることが大切。これからも大いに勉強して下さい」とそれぞれあいさつ。
特別講演を、大分県厚生連鶴見病院の財前博文副院長が「心臓発作から命を守る―つなげよう救命の輪―」をテーマに行った。
「心臓突然死の発生場所で、最も多いのが自宅。心臓発作も2種類あり、虚血性心臓病発作、不整脈発作がある。突然死した人の多くは、心臓に何らかの異常があることなどが分かった。たとえ正常でも、心室細動の引き金となる特殊な不整脈のある人もいる」と話した。
救命の連鎖として、心停止の予防、早期の認識と通報、心肺蘇生とAEDを使う一時救命処置が家族や個人でできる。病院でできることは、病院での救命処置、心拍再開後の集中治療―と説明した。
他にも、早期除細動の必要性、心肺蘇生法の流れなども述べた。
応急手当シミュレーションは、特定医療法人社団春日会黒木記念病院の「黒木劇団」が行った。
ラグビーW杯があるため、別府市に旅行で来た夫婦の旦那役の男性が、急に心臓の痛みを訴えて倒れた。そのまま、意識を失った。119番通報し市消防本部通信指令室から的確な指示で、胸骨圧迫・人工呼吸・AED使用などをし、救急隊に引き渡した。早急な処置で、無事に社会復帰した。
フォーラム終了後、参加者はロビーで心肺蘇生法を体験した。