別府市の都市計画審議会

別府市の将来を見据えた都市計画について審議した

 別府市は第23回別府市都市計画審議会を4日午前10時、市役所で開いた。
 委員は、学識経験者、市議、行政、市民代表16人で構成されている。会長に福島知克別府商工会議所常任相談役、職務代理者に小林祐司大分大学工学部教授を選任した。
 議事では、別府市立地適正化計画の作成、別府市国際観光温泉文化都市建設計画の用途地域、道路の変更、地区計画の決定における別府市が決定する部分について審議。大分県が決定する同計画区域の整備、開発及び保全の方針の変更、市街化区域及び市街化調整区域の変更、道路の変更について報告が行われた。
 立地適正化計画は、人口減少や高齢化、拡散した低密度市街地の発生を背景に「都市機能を集約したコンパクトなまちづくり」と「公共交通によるネットワーク」の連携による「コンパクト・プラス・ネットワーク」を基本とした都市再生特別措置法の一部改正が行われたことにより策定された。
 別府市は元来コンパクトシティだが、人口減少や低未利用地による都市のスポンジ化の進行、生活利便施設(商業、医療、福祉など)の維持が困難になるなどが懸念される。これを踏まえて、都市づくりにおいて▽都市の低密度化に伴う生活サービス機能・地域コミュニティの維持▽都市活動を支える観光産業の維持・発展▽市民生活と観光需要に対応する公共交通等による都市ネットワークの維持・形成▽災害への懸念の増大に伴う都市構造の改善ーの4つの課題を掲げている。
 計画では「世界の『国際観光温泉文化都市』として育まれた特色ある拠点と、まとまりのある都市構造を守り育てながら、さらなる都市の機能性を高める」ことを都市空間づくりの目標として①特色ある拠点の形成②各拠点を中心に都市機能・居住を誘導③各拠点を結ぶネットワークの形成を基本方針に取り組みを進める。
 目標年の2040年までに、居住誘導区域(人口がある程度集積し、公共交通の利便性の高いエリア)内の人口密度を現在1㌶当たり54・9人を46・2人に、居住誘導区域内に設定される、都市機能誘導区域内の未利用地面積を現在の10・2%からそれ以下に、居住誘導区域内における公共交通利用圏の人口を現在の88・3%からそれ以上にする。
 用途地域の変更は、別府湾港湾計画に基づいて、北浜地区で行われた埋立てによるもの。商業地域を約34㌶広げ、約612㌶にした。
 道路変更は、県が都市計画道路山田関の江線の原交差点付近の拡幅工事を行うことに伴い、市道の一部を変更するもので、大きな変更はない。
 地区計画の変更は、旧南小学校跡地活用事業で住宅部分となる「陽向ガーデン地区」の地区計画。一戸建て及び共同住宅が整備されるため、良好な住環境の推進、保全を図る、コミュニティ豊かな地域づくりを目指す。