県内6社が「大分トラベルボックス」

関係者が長野市長を表敬訪問して経過を報告した
大分の魅力が詰まった「大分トラベルボックス」

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、観光業界も厳しい経営を強いられている。そんな中でも、この危機を乗り越えようと、県内6社がタッグを組んで「大分トラベルボックス」(1箱4500円)を立ち上げ、クラウドファンディングで販売。千個販売を目指して頑張っている。
 やせうま本舗田口菓子舗(大分市)の田口永依子専務取締役が人気のCMやエンタメコンテンツの企画・制作を手がけるAOI Proにいる友人に現状を話したところ、協力をしてくれることになった。県内には優れた特産品がある、と他の店にも声をかけた。
 ボックスには、1泊2日の「旅」をイメージして、1日目と2日目に分けて包装。トラベルブックを見たり、各ページにあるQRコードをスマートフォンに読み込むと、画像が流れて旅行気分を一層盛り上げてくれる。トラベルブック等のイラストは、若者に人気のイラストレーターのサンレモンさんが手がけた。写真は、オンラインサロン「#旅と写真と文章」のフォトグラファー伊佐智美さんが撮影した。
 中に入っているのは、まるにや「しいたけ茶」、大分からあげ「とりかわサクサク揚げ」、みょうばん湯の里「薬用 湯の花」、やせうま本舗「豊後銘菓やせうま」、後藤製菓「百寿ひとひら」、南光物産「大分かぼすグミ」の6品。後藤製菓は臼杵せんべいの老舗で、大分からあげは大分市、他の3社は別府市。
 クラウドファンディングでは、大分旅行の疑似体験により大分の魅力をもっと多くの人に届けると共に、販路の減少に苦しむ地域のモノと製作者の思いを届けることを目的に行っている。
 田口専務、飯倉里美みょうばん湯の里社長、黒木信吾まるにや社長、原口智成南光物産社長、後藤亮馬後藤製菓専務、臼井隆弘大分からあげ外販事業部取締役事業部長が2日午後3時半、長野恭紘別府市長を表敬訪問。応援コメントのお礼、商品の紹介、クラウドファンディングの現状報告を行った。
 田口専務は「新型コロナで、昨年5月の売り上げは前年と比べて9割減になりました。コロナが落ち着いたら実際に大分に来てもらいたい。もっと入れたい商品があったのですが、送料なども考えて6品にしました。人が動かないと経済は回らないと思う。皆さん、快く協力してくれた」と話した。クラウドファンディングのメッセージには「大分に行ったことはないけど、行ってみたい」と書いてくれた人もいたことが励みになったと言う。
 長野市長は「皆さんが、こんな時だからこそ頑張ろうと言って、こういったことをやってくれるのはうれしい。この絆は、アフターコロナのすごい武器になると思う。内容を変えれば、色々な商品が出来ると思う」と話した。