日本で起っているフードロスの現状と、食に困っている人がいる現実を多くの人に知ってもらいたいと取り組んでいる、立命館アジア太平洋大学(APU)3回生の吉川光さん(22)が立ち上げた「あまいろ商店」が20日、亀川の堀文貸し出しスペースで「値札のないスーパーマーケット」を開催した。
「飽食の時代」と呼ばれ、食べたいものがいつでも手に入り、まだ食べられるものが多く廃棄されている。国内だけでも年間約600万㌧が廃棄されている。一方で、食の貧困も深刻化しており、7人に1人の子どもが貧困状態にあるという厳しい現実がある。
吉川代表は佐賀県出身で、いつも畑の片隅に廃棄されている、形が不揃いな野菜の存在が気になっていたという。品質には問題がないものの、出荷の基準ではない、キズがあるなどの理由で廃棄されていることを知ると同時に、貧困問題があることも知った。この矛盾した状況を何とかしたい、と始めたのが「あまいろ商店」。
最初は1人で活動をしていたが、今ではAPUだけではなく、他校の学生や社会人など応援してくれる人も増え、スタッフは10人に。農家などから食べられるけど規格外などで廃棄するものを譲ってもらい、販売。値段は購入した人が決めて、箱に入れるシステム。
この日は、イチゴやほうれん草、春菊、白菜、ミカンなどが並んだ。訪れた人は検温と手指消毒をしてから少人数で店内に入り、気に入った商品を購入していた。
吉川さんは「多くの人から『廃棄するものがあるから、持って行ってほしい』と連絡をいただくようになった。フードロスの現状を皆さんに知ってもらいたい。春には、実店舗もオープンさせたい」と話した。
「あまいろ商店」は、27日、3月6日にも午後1時から堀文で開催される。