別府市は5日午後3時、市役所で会見を開いて、介護保険料の口座振替処理に誤りがあったと発表した。中西康太福祉共生部長、阿南剛高齢者福祉課長、工藤浩二同課長補佐が出席。
高齢者福祉課の説明によると、対象となるのは口座振替や納付書による納付を行っている65歳以上の普通徴収の人1237人。その内、今回ミスが発覚したのは、512人、約370万円分。
介護保険の普通徴収は、65歳以上の人の多くが年金から引き落とす特別徴収になるまでの間利用している。普通徴収は、6月から3月までの間、10期に分けて徴収をしているが、1期ずつシステム処理を行っており、今回ミスが発覚したのは、第9期分。担当職員が「2021年2月15日」時点の情報でシステム処理をお願いするところ、「2020年2月15日」時点での誤った情報で処理を依頼したことが原因。
これにより、口座振替が出来なかった人が501人、変更前の口座で振替られた人が6人、振替を解約して納付書で納付をしていた人が5人の人の分にミスが分かった。3月1日に、口座振替をやめて納付書払いをしていた被保険者の家族から「介護保険料が引かれていた」との連絡があり、発覚した。
納付書で納付をした人は、口座振替と合わせて二重に支払ったケースも考えられるため、調査して必要に応じて返金を行う。振替が出来なかった人に関しては、第10期分と一緒に引き落としを行うことをお願いする。変更前の口座で引き落とした人については、意向を聞いて、今回はそのままで良いということであれば、引き落としが終了したことになるという。対象者には、個別に対応し、謝罪を行っている。
再発防止策として、これまで職員1人で行っていた処理を、今後は複数人でチェックすることと、情報処理部門においても、口座振替の電算処理の依頼を受ける時に、処理依頼者と処理確認者が同一である場合は受け付けない対応を取る。
中西部長は「福祉の根幹を担う介護保険制度の徴収という極めて重要な部分で、重く受け止めています。被保険者の皆さんには、多大なご迷惑をおかけしました。このようなことが二度とないように、細心の注意を払っていきたい」と謝罪した。また、今回のことで、介護保険サービスの事業への影響はないという。