第93回選抜高校野球大会11日目の決勝戦で大分県代表の明豊は1日、神奈川県代表の東海大相模と対戦し、2―3で敗れた。初の決勝に進出し、大分県勢54年ぶりの優勝が期待されたが叶わなかった。
明豊は1回表、2番の阿南心雄選手が中前安打で1塁へ。3番の竹下聖人選手が右翼に2塁打を放ち、阿南選手が本塁を狙うが東海大相模の中継プレーで阻止された。4番の黒木日向選手が2死3塁1ボール2ストライクから左適時打で1点を先制した。
東海大相模は1回裏、1番の門馬功選手が中前安打で出塁。2番の綛田小瑛選手のときに明豊の太田虎次朗投手の暴投で2塁へ。綛田選手の2塁ゴロの間、走者は3塁に進む。3番の小島大河選手がスクイズを決めて同点に追いつく。
明豊は4回表1死満塁、2番の阿南選手が左翼に犠牲フライを打ち、3塁走者が生還し勝ち越しに成功する。2塁走者の太田選手が3塁を狙うが失敗した。
東海大相模は5回裏2死2塁、9番の求航太郎選手が左翼越えの2塁適時打を打ち、同点に追いつく。その後、2番の綛田選手が四球を選び、2死満塁となる。1打逆転のピンチだったが、明豊の太田投手は129㌔の直球で投手ゴロに抑えた。
互いに譲らずゼロ行進が続き、決着がついたのは9回裏の東海大相模の攻撃だった。1死満塁から3番の小島選手が遊撃手への内野安打を放ち、3塁走者が生還しサヨナラ勝ちした。
川崎絢平監督は「持てる力を選手が、すべて出し切ってくれた。うちも勝つならこういう展開だと思っていたが、あと1本が出ず、相手が1つ上だった。太田投手は大会を通して修正する力が付いた。今日も素晴らしいピッチングだった。(今大会ノーエラーについて)ボールに対する執念が、夏につながる」と話した。
また、東海大相模の大塚瑠晏主将は体調を崩し、選抜大会の途中で入院。決勝戦と閉会式に参加することは叶わなかったが、試合終了後、チームメートが大塚キャプテンのユニフォームを手にする場面があった。
閉会式後の記念撮影では、優勝した東海大相模は大塚主将のユニフォームを前列中央に掲げた。続けて、準優勝の明豊が登場すると、2校の選手らが混ざって紫紺の大優勝旗と深紅の準優勝旗が両端に並んで撮影、終了後は互いの健闘を讃えていた。続けて、明豊が深紅の準優勝旗と一緒に撮影して、残っていた観客から拍手が送られ、春のセンバツは幕を閉じた。
甲子園準優勝に長野市長がコメント
長野恭紘別府市長は1日、明豊高校野球部のセンバツ甲子園準優勝に対して、コメントを次のように発表した。
明豊高校野球部の皆さん、センバツ甲子園準優勝おめでとうございます!学校関係者、保護者の皆様、誠におめでとうございます。甲子園の決勝という大舞台でプレーする明豊ナインの姿は、ただそれだけで、新型コロナウイルス感染症で疲弊した多くの市民に元気と感動を与えてくれました。センバツ大会では、初戦から接戦の厳しい試合が続きましたが、ひとつ乗り越えるたびに絆が深まり、成長していく姿に、今年の明豊高校の強さを感じました。昨年、新型コロナの影響で出場が叶わなかった先輩方と皆さんの気持ちが一体となり、今回の素晴らしい成績につながったのではないでしょうか。
この春、明豊高校は全員がヒーロー、全員が主役のチームでした。これから、夏の甲子園を目指す戦いが始まります。センバツでは届かなかった優勝に向け、夏のさらなる活躍を大いに期待しています。これからも変わらない明豊野球を貫いて、我々に夢を与えて下さい。準優勝、おめでとう!感動をありがとう!