農業委員会会長を逮捕

農業委員会に立ち入り捜査に入る捜査員
説明会を開いて話をする樫山総務部長(左)と久恒事務局長

 大分県警察本部捜査第二課と別府警察署は23日、野田の農業委員会会長、恒松直之容疑者(71)=同日午後3時42分=を収賄の疑い、日出町藤原の無職、佐野保人容疑者(70)=同日午後3時=を贈賄の疑いで逮捕した。
 調べによると、恒松容疑者は平成30年4月中旬ごろ、別府市内の農地の転用許可手続きに有利かつ便宜を図った謝礼として、市内で佐野容疑者から現金数十万円を受け取った疑い。
 その農地は、市内の複数人が所有している。恒松容疑者は、必要な手続きを踏まずに道路へ転用を認める代わりに、現金を受け取った。
 両容疑者の認否は明らかにしていない。
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 午後8時過ぎ、多くの段ボール箱を手にした捜査員が次々と農業委員会事務局に入り、関係書類などを押収した。
 非常勤特別職である農業委員会の会長が逮捕されるという事態を受けて、樫山隆士総務部長と久恒美千代農業委員会事務局長が23日午後8時半から説明を行った。
 樫山部長は「突然のことで、とても驚いています。事実関係がきちんと把握出来ておらず、把握してから今後どのように運営していくかが課題だと思います。会長職の任期については、現在上限はありませんが、どうするかは農業委員会で話し合われること」と話した。
 久恒事務局長は「5時ぐらいに警察から会長を逮捕したとの連絡を受け、驚いています。詳細は把握していない」とした。説明によると、2ヘクタール以上の農地を用地転用などをする場合、認可は大分県となるが、別府市農業委員会として必ず意見書をつける。意見書は月1回開いている総会で委員7人で会長を除く6人で採決を取り、同数になった場合には会長も採決に参加するという。恒松容疑者は7月から体調不良を理由に総会を欠席している。
 農業委員は平成29年度までは選挙で決められていたが、その後は、任用制となり、応募か団体推薦で選ばれ、委員の総意で会長が決められている。恒松容疑者は平成5年から農業委員に選ばれており、現在9期目。平成17年から現在まで14年の長きにわたり会長職を務めている。
 会見では、当該の土地に対する意見書がどうなっているのか、農業委員会事務局が知っていたのかなどについては「捜査中でもあり、まだ事実関係が分からず、どの土地のことかもこれから調査しないといけない」として答えなかった。

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