中国湖北省を中心に感染が広がっている、新型コロナウイルスによる肺炎。中国国内だけでも、7千人以上が感染して、170人が死亡しているという(30日現在)。
国内でも感染者がいるが、これまでは中国籍の患者ばかりだった。日本国内で武漢からの観光客を乗せた観光バスの日本人運転手やバスガイドの感染が確認され、観光関係者に大きな衝撃を与えている。政府も、指定感染病(2月7日施行)に指定することを閣議決定した。
中国政府は、ツアーの団体客の出国を停止しているが、春節ですでに多くの中国人観光客が日本を訪れており、別府市内でもその姿を多く見る。団体旅行の規制により、別府市に寄港予定だったクルーズ船の中止などの影響が出ている。韓国との関係が改善の兆しがない中、中国からの観光客も減少することが懸念され、観光にとっては痛手となることが予想される。
観光施設でも対応に追われている。多くの観光客が訪れる別府海浜砂湯では、建物の出入り口に手指消毒液を置いたり、職員がマスクをして対応するなど感染予防に努めている。指定管理の市綜合振興センターは、他の管理施設でも同様の対応をとるなどして、訪れる観光客にも安全を提供しようと対策を進めている。別府観光の最前線を担う関係者の感染予防対策も重要となる。
また、新型肺炎は潜伏期間中でも感染する恐れがあるとされており、不安が広がる中、別府市は「別府市民のみなさまへ」として対応チラシを作成した。「どのように感染するかわかっていませんが、季節性インフルエンザよりも感染力は低いことが分かっています」と過度に恐れず、インフルエンザと同じように、日頃の予防対策をとるように呼びかけている。
感染予防に大切なことは、こまめな手洗い。人混みの中でのマスク着用も効果が期待できるとしている。手洗いは、石けんで指先から手首まで十分に洗い、清潔なタオルやペーパータオルでよく拭いて乾かす。手指消毒液も有効。マスクは、しっかりと口と鼻を覆うようにする。
市では、高齢者福祉施設や障がい者施設などにチラシを配布するとともに、ホームページでも注意喚起をしている。主要な観光施設などで希望する施設には、手指消毒液やマスクを配布するなど対応。健康づくり推進課(電話21・1117)に相談窓口も設置している。