公共下水道事業区域を縮小へ

福谷委員長(左)から意見書が手渡された

 別府市公共下水道事業経営評価委員会(福谷正信委員長、5人)は、意見書をまとめて20日午前9時、長野恭紘別府市長に提出した。
 別府市の公共下水道は、昭和35年に許可を受けて事業を展開してきた。計画区域全体は2826㌶で、現在の事業認可区域は1822㌶。平成30年度末の人口に対する普及率は66・8%となっている。しかし、使用料の伸び悩みや施設の老朽化などが課題となっている。このまま事業を推進しても、現状の予算規模では整備完了まで50年以上がかかると見込まれ、多額の予算が必要となる。先に布設した管の老朽化に伴う更新事業が相次ぐことも予想される。今年4月からは、公営企業として再出発することもあり、現実的に持続可能な事業展開を行うため、計画よりも事業規模を縮小したい旨の考えを委員会に示し、協議してもらった。事業を縮小して合併処理浄化槽を用いてもらう「公共下水道区域」と「浄化槽区域」に分ける方針。4月から地元住民への説明会を行う。
 意見書では、委員からの意見として▽下水道対応区域でなくなる市民については、浄化槽設置替に係る補助体制を拡充すること▽公共下水道区域と浄化槽区域のすみ分けについては、はっきりとした説明を行うこと▽公共下水道事業が企業会計に移行する上で、安定的な財政基盤の構築のため、経営戦略等を策定して市民や利用者に示すこと▽公共下水道が供用開始された区域の接続勧奨については、文書による勧奨以外にも模索して接続率の向上に努めること▽公共下水道で整備を進めるとどのくらいの期間で整備ができるのかをより詳しく示すことーなどを挙げている。
 福谷委員長は「公共下水道が整備されるのを待っている人もいるかもしれない。ていねいな説明をすることが大切。また、合併処理浄化槽を設置するにしても、負担をかけることになるので、新たな補助金などで不公平感がないようにしないといけない」と話した。
 長野市長は「4月からは企業会計制度に移行するため、しっかりとした財政基盤を整えなければいけない。市民の皆さんには粘り強く、ていねいに説明していく必要があると思っています」と答えた。

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