別府市は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、国や県からの要請を受けて、市内の小・中学校について、3月2日から休校とすることを決定。28日午後3時、市役所で会見を開いて説明をした。会見には、稲尾隆・教育部長、中西康太福祉共生部長、猪股正彦いきいき健幸部長が出席した。
公立の小学校(14校)と中学校(8校)については、3月2日から26日までの間臨時休校として、春休みは予定通り27日から4月7日までとする。幼稚園(14園)と保育所(園)は通常通り。卒業式については、予定通り、幼稚園は3月19日、小学校は3月24日、中学校は3月6日、保育園は3月28日に実施するが、小・中学校については、出席者は卒業生と教職員のみで、保護者の参加は遠慮してもらう。幼稚園は保護者も参加できる。
保育所は、公立保育所3園、認可保育所(園)27園、こども園3園についても同様の対応を取るが、認可外保育所については、市の対応を知らせる。
また、原則、小学3年生までの放課後児童クラブに通う児童など、どうしても仕事を休めない場合や家庭での見守りが出来ない場合は、各小学校で感染防止に配慮しながら、3月3日から教職員による見守りを行うことにしている。それに合わせて、放課後児童クラブ(36クラブ)も3年生以下を対象に、通常通りの受け入れを行う。給食は提供されないため、お弁当持参で、学校では自習をすることになる。
26日に予定していた終業式は行わない公算が高いため、通知表などは各家庭を訪問して届けることになる見込み。
また、3児童館や市立図書館、市立美術館、少年自然の家「おじか」も休館となり、その他の施設については検討中。体育施設などでは、大会の中止などのためのキャンセルも出ており、今回はキャンセル料を取らない方向だという。
現在、大分県からは感染者の報告はないが、今後の感染者の発生状況などによっては、さらなる対応を行うこともあると言う。稲尾部長は「子どもの最善の利益を考え、臨機応変に対応していきたい。保護者の皆さんには、休校になる意味を理解してもらいたい」と話した。
卒業式については、市教委は「児童・生徒同士、教員とのお別れの場」として、規模を大幅に縮小、時間も短縮して実施することを決めたが、保護者からは「子どもの成長を見る場。せめて、家族の中の1人だけということでも良いので、参加したかった」と不満の声が聞かれた。
専門家会議でもここ1、2週間が感染拡大を防止できるかのヤマ場との意見があり、今回の措置となったが、学校現場などでは、急な発表に困惑しながら、対応に追われている。