大分市賀来南の食品会社「ヘルカンパニー」の田鶴原洋社長が17日、今日新聞社を訪れた。
同社が販売しているレトルト食品「血の池地獄カレー」や「地獄のキーマ」が商標権を侵害しているとし、北海道の会社「北都」が製造・販売の差し止め、損害賠償約370万円を求める訴訟を札幌地裁に起こしているという。提訴されたのは、「ヘルカンパニー」と県外の製造会社2社。
ヘルカンパニーに昨年10月、北都から内容証明が届いた。そこには、北都側の独自の主張が展開されていた。ヘルカンパニー側のインターネット販売利益が北都側の損害額としており、損害賠償は670万円と計算していたという。
訴訟を起こした理由は▽商品の名称が似ている―などとしている。
特許庁が出す特許公報によると、北都が商標登録しているのは「地獄のカレー」で、2010年に行っている。
ヘルカンパニーによると、「血の池地獄カレー」は野田の観光名所「血の池地獄」の運営会社から許可を得て、昨年2月から発売している。
田鶴原社長は「北都の商標登録は、名称についてのみ。当社の商品とは、まるで違う。インバウンド対策で『地獄のキーマ』には『CURRY』と明記しているが、これを『地獄のキーマカレー』と北都側が読み替えている。勝手に商品名を変えないでほしい。私は別府育ちで、別府人としての誇りがある。大分県、そして別府市を代表する観光地の名前を付けた商品にケチをつけるというのは、県民、そして市民を馬鹿にしている。また、別府市内の店舗やテレビ番組でも『激辛』を取り扱っている。ブームに水を差すような行為」と述べた。
最後に「落ち着いたらでいいので、自治体が『別府=地獄』というのを発信してほしい」と熱を込めた。