6月別府市議会の一般質問②

 令和2年第2回別府市議会定例会は22日午後1時、一般質問で午前に引き続き美馬恭子氏(日本共産党議員団)、森大輔氏(自民新政会)、小野正明氏(同)が、新型コロナウイルス感染症に関連して学校再開での問題、地域経済の状況と景気対策、温泉行政について質問した。

学校再開の問題点は…

美馬恭子氏(日本共産党議員団)

美馬 恭子氏

 美馬恭子氏は新型コロナウイルス感染症に関連して学校再開の問題点として「3月から学校が休校した。子どもたちにそうとうな学習の遅れがあり、不安やストレス、コロナにかかると大変だから外に出ないなどがある。先生たちも大変。遅れている時間を取り戻し、感染しないようにする、通常の何倍も業務過多になっているのでは。児童、生徒への心理面へのサポート体制は」と質問。
 北村俊雄学校教育課長は「長い臨時休校後の学校再開という環境変化と、感染防止の新しい生活様式の対応が求められているのに対して、各学校で教職員による丁寧な見守りに務めている。サポート体制として、全小中学校に配置しているスクールカウンセラーや、小学校8校に待機しているスクールサポーターを活用。総合教育センターで3名の心理相談員が、電話や来所での相談を実施している。スクールソーシャルワーカー3名が、すべての幼稚園や小中学校を対象に子どもの環境改善をしている」と答えた。
 「人数の限りがある中、各学校を回ることは安心するが子どもの心身のケアをしっかりすることが大切。休校期間中の授業の遅れに対してはどうするのか」と質問。
 北村学校教育課長は「臨時休校により34日の不足が生じている。学習の遅れは、夏季休業の短縮、土曜授業による授業量確保をする」と答えた。
 そのほか、小学校の自校式給食などについても質問した。

地方経済の景気対策

森大輔氏(自民新政会)

森 大輔氏

 森大輔氏は地域経済の景気対策としてプレミアム付きクーポン券発行事業について「客足が減少した飲食店を対象に消費喚起を目的としている。飲食店は休業要請で大きな影響を受けたことを理解しているが、今後、第2弾の経済対策などを行うときは、売り上げが減少している商店、小売店などの消費喚起をする幅広い店で使えるプレミアム付き商品券を検討してほしい」と要望した。
 大野高之産業政策課参事は「別府エール食うぽん券は、特にダメージを受けた飲食店、飲食業を対象にしている。飲食業、宿泊業は観光産業の中心。多くの業種に波及効果がある裾野の広い産業。国の支援策を活用しながら、少しでも多くの産業への経済効果をもたらすようしていきたい」と答えた。
 「また感染症予防対策事業補助金について、納得できない点がある。補助率が9割、補助金は最大15万円にした積算根拠は」と質すと、大野産業政策課参事は「補助率は最大限の補助をすることとし、金額については店舗の消毒の徹底、飛沫拡散防止など予防対策にかかる費用を試算し、他市を参考にしながら決めた」と答えた。
 「ここで一番心配しているのは、個人が使用するものと事業をする上で使用するものを区別することが難しい。すべての市民が感染拡大防止をしており、予算が一定の業種に集中している意見がある」と述べた。
 そのほか、有害鳥獣被害防止対策などについても質問した。

温泉行政の未来について

小野正明氏(自民新政会)

小野 正明氏

 小野正明氏は温泉行政について「温泉は未来永劫ある訳ではない。今年3月に鉄輪の温泉が止まった。その後の経過はどうなったのか」と質問した。
 野田哲也温泉課長は「市が所有している鉄輪泉源の湯量が減少し、市有区営温泉の上人湯が3月9日から入場を制限。11日から休館。その後、湯量が回復し、男湯と女湯を交互に使い始めた。温泉課として、上人湯温泉組合と協議。対応策として、市有区営温泉などに供給している鉄輪給湯本管からの給湯に切り替えることを提案。5月に組合に工事をしてもらい、今は通常の営業をしている」と答えた。
 「泉源の停止は、温泉都市別府にとっては致命的な打撃を受ける。現在、大分県と別府市が共同で市内の源泉の現況調査をしているが、進捗状況、その結果はどのように生かすのか」と追求すると、野田温泉課長は「現況調査は昨年7月22日に開始。泉源数2282カ所を対象にした。別府市は、将来の温泉利用が出来るよう、具体的な対策などを県と協議していく」と答えた。
 「地下調査としてトレーサー調査という方法がある。地下水の様子を流動経路として追跡する方法。別府市でも役立てられると思うが、市独自で行うことはないのか」と質問。野田温泉課長は「今年度、地下水脈などの研究を行う。温泉の理想的な量、資源の保護などの基礎資料としていく」と答えた。
 そのほか、温泉資源の確保と森林保全などについても質問した。

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