別府温泉発展に大きく寄与

 天然温泉を掘削する道具として古くから使用されている「別府の湯突(ゆつ)き用具」が、国の登録有形民俗文化財となったことを記念して、25日に行なわれた講演会「別府の上総掘りと温泉科学」がYouTube上にアップされている。
 第1部は、秦広之別府市社会教育課主査で「上総掘り(別府方式)の技術と文化的価値」、第2部は、由佐悠紀別府温泉地球博物館理事長(京都大学名誉教授)が「上総掘りが別府および温泉科学に与えた影響」と題してそれぞれ講演をしている。
 千葉県上総地方で井戸掘りに使われていた掘削技術「上総掘り(かずさぼり)」が別府に伝わり、温泉掘削に用いられるようになったという。別府では、温泉掘削を「湯突き」と呼んでおり、櫓を組み上げて行っていた。上総掘りによる湯突きがいつごろ伝わり、広まったのかは定かではないが、この技術の導入により、それまで自然に湧き出していた温泉を活用していたのを人工的に掘ることが出来るようになり、源泉数が飛躍的に増加して旅館も増え、観光地としての別府温泉の発展に大きく寄与した。

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