別府市が避難所運営でNPOと協定

協定書を交わした坂さん(右)と長野市長
紙で作られたハニカムベッドや間仕切りでプライバシーを保護

 別府市は6日午前10時、特定非営利法人ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(坂茂代表理事)と「避難所用簡易間仕切りシステム等の供給に関する協定書」の締結式を市役所で行った。
 坂代表は、世界的な建築家で、紙管やコンテナなどを利用した建築や災害支援活動でも知られている。紙管と布を使った間仕切りシステムを考案し、熊本地震の際にも提供された。同法人との協定は、大分県とは結んでいるが、県内市町村では初めて。
 多くの人が一時的に生活をすることになる避難所は、学校の体育館が多く、プライバシーの確保が難しかった。この間仕切りシステムを使うことで、一定のプライバシーが確保できる。組み立ても簡単。また、紙で作ったハニカムベッドも強度があり、下には荷物が収納出来るようになっている。
 長野恭紘別府市長と坂代表が署名。長野市長は「大事なことは、市にとどまらず、他の所にも要請があればシステムを持って行く事で支援につなげることに意義があると思う。いつ災害が起こるか分からないので、しっかり備えていきたい」とあいさつをした。
 坂代表は、災害支援活動をする思いを「大きな美術館など作ることも、市民に誇りを持ってもらえることになるかもしれないが、一般の人が多く集う避難所の住環境の改善も建築家の義務だと思った」と語った。「災害が起きて突然行っても、設置させてもらうのは難しく、協定を結ぶことが大切だと思った。熊本地震の時も、大分県と協定を結んでいたことで、大分県からの支援という形で避難所に設置することが出来た」と振り返った。「プライバシーの保護は何よりも大切。高さも2㍍ほどにしているので、飛沫防止になる。このコロナ禍では大切なこと。紙製なので、安価で丈夫」と解説。
 試作を繰り返し、避難者の意見を聞きながら東日本大震災の時から現在のスタイルになったという。

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