安全管理の徹底など
「今年は新型コロナウイルス感染症に始まり、7月豪雨と災害の形態が複雑かつ多様化している。どのような災害でも市民や観光客の安心と安全を確保する。それが消防の任務で変わりはない」と切り出す。
市消防の現状として「市消防本部の平均年齢は35歳。現場の経験則が消防人の力量で、10年経って、やっと一人前を言われていた。今は消防装備が充実し、経験値を補う柔軟な指導で、職員の事故防止や安全管理体制を整備したい」と語った。
「職員には『指示待ち族』になるなと言っている。業務や訓練などで一歩踏み出し、自分で考えて目標を持ち、毎日が挑戦と考えて取り組んでほしい。そのため、上司は働きやすい職場環境をつくる。業務や災害現場は成果が命。良い結果は、組織の活性化につながり、最終的には職員一人ひとりが誇れる市消防本部になる」と続けた。
市民には「報道されている災害を『対岸に火事』と思わず、いずれ遭遇する前兆と捉えてほしい。自主防災会訓練など積極的に参加して有事に備えてほしい」と呼びかける。
これまで記憶に残っている事柄は、入署1、2年目で先輩から炎の消し方を教わったことは忘れないという。また、救急救命士として心肺停止事案に出動。市内の病院に搬送した翌日、医師から「患者の意識が戻り、水が飲める状態」と連絡があり、人間の生命力に限界はないと感じた。
昭和36年生まれ、58歳。55年3月に高校を卒業し、一般企業に就職。57年4月に消防士を拝命し、県消防学校に6カ月入校。振り出しは本署消防第2分隊だった。平成12年に救急救命士の資格を取得。28年に市消防本部警防課長、30年4月に市消防本部次長兼庶務課長を務め、令和2年7月に消防長を拝命した。
趣味はジョギングやウォーキング。散策で新たな発見を楽しんでいる。
好きな言葉は「因果応報」。人のために善いことすれば、必ず善い報いがある。