別府市教育後援会講師はリモートで

リモートで講演する
苫野准教授
学校や保護者など教育関係者が出席してコロナ禍の教育について聴いた

 別府市教育委員会は、令和2年度別府市教育講演会を4日午後2時50分、市役所で行った。教職員や保護者らが会場には63人参加。また、各小中学校をオンラインで結んでリモートで22人が出席した。
 講師は、熊本大学教育学部の苫野一徳准教授で、熊本からリモートで講演を行った。テーマは「公教育の構造転換へ向けて~教育の本質からアフターコロナの教育を考える~」。
 苫野准教授は、「公教育は市民社会(民主主義)の最大の土台であり、自由の相互承認が重要。それが、市民社会で根底で支えるもの。哲学的には、すべての子どもに相互承認の感度を育むことが、教育の存在意義。150年変わらないのが学校システム。社会は変わっても、学校だけは変わっていない。同じ年の人だけでなるコミュニティは学校しかなく、いじめが起こりやすい。家族のような温かい学級を目指したことは、日本の教師の優れたところだった。しかし、多様性が目立ち、今はまとめきれない。適応できない子どもがどうしても出る。もう限界で、システムを変える必要ある」とした。
 コロナ禍では、学校が休校になったり、学習時間を補うために夏休みが短くなったりしている現状を「脆弱性が分かったと思う。同じ所に集めて、同じ事が出来なくなった。なのに、もう元に戻ろうという力が働いているが、それで良いのか。これを契機に構造を出来るところから変えていきたい。日本の教育は、1人の先生の力に頼りすぎる傾向があり、大きな限界が来ている。探求をカリキュラムの中核にして、自分たちなりの仕方、答えにたどり着くことで学ぶことの意義を深く理解できる。教師が頼れる支援者、共同探求者になれるか。先生の力量が問われる」とした。

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