宇宙飛行士の山崎直子さんらが講演

宇宙飛行士の山崎さん(中央)らがトークショーや講演会で宇宙の魅力を語った

 来年6月に別府市で開催される「第33回宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)」のキックオフイベント(大分別府大会地元事業実行委員会主催)が8、9日にビーコンプラザで開催された。
 ISTSは、世界の宇宙工学等の研究者が一堂に会して、研究発表や討論を行うもので、宇宙関連の国際シンポジウムとしては世界2番目に大きなシンポジウム。来年6月5日から11日までの実施を予定しており、期間中は、世界からのべ1万人が参加するとみられている。
 開会式で主催者を代表して、広瀬勝貞大分県知事が「これだけ科学技術が発展する中で、宇宙事業の活用には、期待がふくらむ分野。民間の宇宙事業への取り組みも積極的になっています。大分空港にも、水平型の人工衛星の打ち上げのアジア初の拠点が出来ることになっており、胸躍らせているところです。宇宙開発は大きな産業として発展すると思う」とあいさつ。
 開催地の長野恭紘別府市長もあいさつをした。引き続き、ISTS2021組織委員長の中須賀真一東京大学教授が「超小型衛生が拓く新しい宇宙開発利用と産業連携」と題して基調講演を行った。
 スペースシャトル「ディスカバリー号」に搭乗した、宇宙飛行士で一般社団法人スペース・ポート・ジャパンの代表理事でもある山崎直子さんが「大分から宇宙へ」と題して講演した。小学2年生の時に、天体観測をしたのことをきっかけに宇宙に興味を持ったという山崎さんは「無重力の世界では、上も下もないので。『あなたの下の物を取って』というように、相手の立場にならないと、会話がなりたたない」といった、宇宙体験や実験の様子などを語り、「いずれは、月旅行も気軽に行けるようになるかも」などと話した。
 トークセッションでは、会場にいた子どもたちが「将来、宇宙にかかわる仕事がしたいので、そういう大学を目指したいが、どういう人材が必要か」との質問に、中須賀教授は「好きなことを、とことん突き詰める人。大事なことは、問題解決能力。専門分野を持つこと」などと答えた。
 9日は、青木英剛スペース・ポート・ジャパン理事が「スペースポートの開港に向けて」と題して、大分空港で展開されるスペースポートについて説明をした。岩本裕之JAXA新事業促進部長が「共創しよう!宇宙は世界を変えられる」と題して、宇宙にまつわる新ビジネスについて話をした。
 また、「大分県における宇宙ビジネスの広がり」をテーマに、パネルディスカッションも行われ、倉原直美インフォステラ代表取締役社長、藤原源ウミトロン代表取締役、山本茂ニュージャパンマリン九州取締役社長、衣本太郎大分大学理工学部准教授、中川稔彦日本文理大学工学部航空宇宙工学科教授、青木理事、岩本部長が参加して行われた。

コメントを残す