「四方の海」は団結の象徴

 尖閣が危ない。中国漁船団が漁の解禁と同時に「襲来」の兆候が伺える。準軍事組織の「海警」による領域侵入行為は後を絶たず、領域拡大の意欲は世界1の水準だ。
 武装集団による自国漁民の警護活動は我が国も経験がある。日露戦争当時、北海道や東北漁民を当時の旧帝国海軍が帯同して漁域活動を保護した歴史がある。
 「尖閣諸島のような小島の一つや二つ、『平和を希求する諸外国の信義』をもってすれば、くれてやれ!」と反戦平和の美名を謳う反日国民も多くいる。「少子高齢化社会にあって何を今さら領域を維持できようか」という日本国民も確かに存在する。本当にそうか?
 領域をはじめとする権利権益の放棄は、アジア全体の平和維持にはマイナス。「これ位、いいか?」という善意の譲歩とは決して映らない。国際社会と対等に友好関係を維持するには日本が模範を示す気概が必要だろう。日本が我が国固有の権益を放棄すれば、東南アジア発展途上各国は一層悲惨な状況下に置かれるだろう。すでにマレーシア、ベトナム、フィリピン領域には人工島が出現して軍事施設もあるのは周知の事実。
 領有権拡大の野心を抱くのは「中国」だけではない。「ロシア」は北方四島を決して手放すことはない。当然「北朝鮮」も含まれる。加えて「韓国」はすでに竹島を不法に占有して領有権を主張している。韓国は2025~30年までに原子力推進型の大型潜水艦や空母をそれぞれ建造して防衛構想に組み込んだ。領海権益保護の名目ながら、将来的には南北統一後の体制強化を狙った動きを類推させるといえば深読みしすぎか。
 尖閣には漁業の海産物に加え、天然ガスやレアメタルなど貴重希少な資源が眠る。世界経済に与える影響は計り知れないし、IR(カジノ併設の統合リゾート)における「収益」など比べものにならないといわれる。利益ばかりではない。日本は古来より固有の領土領域の存在を責任をもって維持して来た。二百カイリの領有権意識は天皇家に次ぐ、四方の海に囲まれた日本国民団結、共有のシンボル的存在でもある。
 日本は世界最古の「国家」である。幾多の苦難を乗り越えて生きてきた。いつまでも元気で長生きできる「国家」でありたい。自信を持って明日を迎えるために。  (陽)

コメントを残す