有事に万全の備えを
プランニングワン 代表取締役 落合秀美さん
9月1日は「防災の日」。損害保険や生命保険などの代理店業務を行うプランニングワン(本社・東荘園町5丁目1組)代表取締役、落合秀美さんは日常生活の危機管理について次のように語っている。
多発する自然災害
近年、台風やゲリラ豪雨など自然災害が頻発し、その被害額は過去に比べて大きくなっています。また、既存住宅の経年変化も進行して耐久性が低下することにより、事故が発生するリスクも高まる傾向にあります。平成30年の台風21号では1兆円以上の支払保険金となり、過去最高の被害額となりました。令和元年は台風15号、19号により、各地で大規模な被害が発生しました。
台風情報に関する基本的な解説と対応について話します。台風は反時計回りに風が吹き、東側の風は進行するスピードと重なるので風が強く吹き荒れます。次に瞬間風速40m/s以上の規模は極めて危険です。簡易な建物の倒壊、屋根全体の損傷などの大規模な被害が発生しやすくなります。1時間降水量50mm以上は内水氾濫リスクが大きくなります。短時間に豪雨が降った場合、雨水排水が追いつかず、町に水があふれることがあります。
備えと対策として
風災被害を無くすためには、弱い箇所を無くし、補強をすることと、飛散しそうな物は撤去することが重要です。水災被害を無くすためには、水をせき止め侵入をさせないことと、物を高いところに持ち上げ浸水をさせないこと。入ってきた水は早く排出することが重要です。
対策としては、建物出入口などに防水板や土のうを設置します。水のたまりやすい場所、浸入の予測されるところには排水ポンプを設置します。停電に備え、排水ポンプの近くに発電機も準備すると良いでしょう。
屋上、バルコニーなどの排水溝を点検し、詰まりがあれば清掃をします。屋外置きの物品は2階など高所へ移動させます。炉などがある場合、水が入ると水蒸気爆発の可能性があるので、炉は停止します。車両は高所へ移動しておきます。
平時のうちに実施しておくべき重要な取り組みとしては防水板の設置工事が有効です。適宜点検し、不良箇所を修繕することが重要です。次に屋外設備の補強をします。屋外設備、特に屋根上に設置されているダクト、換気塔などは強風による被害が多く出ています。
鉄骨フレームなどで補強できれば、風災対策上有効です。事前に敷地内の水がたまりやす場所や高所で物品避難箇所の候補になる場所、車両等を避難させることのできる高所をあらかじめ把握しておくと良いでしょう。
次に緊急保安物品の購入を心がけてみましょう。排水ポンプ、発電機、電工ドラム、ビニールシート、緊結用チェーン、懐中電灯、投光器等照明器具、緊急用食料、医薬品、土のうなどが挙げられます。台風襲来直前から被災後の対応を円滑に実地するためには日頃からの準備や、地域との連携を深めることで有事対応力が向上します。
政府と共同で運営
地震保険は政府と民間の損害保険会社が共同で運営している制度です。地震、噴火、津波を原因とする火災、損壊、埋没、流失による損害を補償します。利潤を一切いただかず、皆様の保険料は準備金として積み立てられています。
最近増えている自然災害に対する補償を別府市の防災マップを参考にして備えて下さい。法人のお客さまは建物設備の火災保険と地震保険のご加入や、損害を受けて休業することによって生じる損失を補填する休業補償の加入もおすすめ致します。
落合さんプロフィール
昭和37年2月7日生まれ。平成5年1月、JAを退職し保険会社に就職。同10年7月、独立。同12年4月、法人を設立。大分、中津にも支店を持つ。
「保険とは被害者救済事業です。私たちは有事の際のお役に立てればといつも考えています」。