「大分県の迎賓館」目指す

会見する似内社長(左)と佐々木総支配人
最大500人が収容できる大宴会場

 オリックス不動産株式会社(深谷敏成社長、東京都)は、運営する「別府温泉杉乃井ホテル」の共用施設である「ひかりホール」のリニューアルを終えて、6日午前11時から、報道関係者にお披露目した。
 ひかりホールは、8棟ある杉乃井ホテルの施設の中心部に位置し、1977年に開設。その後、耐震化の問題などもあり2015年から利用を休止していた。解体して新たな建物を建てるか、リニューアルをするかを協議する中で、解体が優勢だったが、多くの人からひかりホールを惜しむ声があり、リニューアルを決断した。4階建てで地下はHana館とつながっている施設。
 今回のリニューアルで、3階に県内最大の500人が収容できる大宴会場が完成した。山側に面する立地を生かして、内装には水や緑などの自然を感じさせる素材を採用し、シンプルながら華やかさを併せ持つデザインになっている。また、調理の様子を楽しめるライブキッチン、400インチの大型LEDモニターなどを備え、あらゆる場面に対応する。
 今回のリニューアルで大きく変わったのは、従業員向けの施設の充実。2階には、これまでHana館にあった社員食堂を拡充。「静寂な森と豊かな実り」をテーマに、グリーンを貴重としながら可動式のテーブルや椅子、カウンターなど1人から多人数まで対応し、職員同士が交流できる癒しの空間を意識した。調理は、若手調理人が担当し、ネパール国籍で入社5年目の調理スタッフのジバンさんがネパール料理を振る舞うなどしている。
 4階には研修施設を整備。講義室の他、実際の施設を再現して、サービススタッフ、フロントスタッフ、客室スタッフの研修が出来るようになっている。
 1階はメインキッチン。これまで各棟で行っていた食材の搬入、仕込みを集約した施設。仕上げは各厨房(サテライトキッチン)で行うが、それ以外はメインキッチンで行い、真空パックなどをして専用の保冷車で各棟に届けられる。12日から順次機能を移行して、来年1月末には完全移行を目指す。
 会見で、似内隆晃オリックス・ホテルマネジメント株式会社取締役社長兼杉乃井ホテル&リゾート株式会社代表取締役は「研修施設は新たな試みであり、サービスレベルの均質化、キャリアップの創出、若手からベテランまでオペレーション力の底上げを図りたい。コロナ禍で構想は道半ばだが、従業員の満足度を少しでも上げていきたい。従業員の働く満足度を高めることが、お客様へのサービスを高めるベースになる」とし、その他の工事についても「計画通り進んでいる」とした。
 佐々木耕一総支配人は「一般的なバンケットホールとは差別化を図り『大分県の迎賓館』をテーマに、徹底した衛生管理をしていきたい。コロナで厳しい状況だったが、GoToトラベルの効果もあり、来月からはほぼ前年並みに戻りそう。もう一度原点に立ち返り、県民の期待に応えられる施設になるように頑張りたい」と話した。

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