文化財防火デーで消防訓練など行う

消防講習を受ける文化財保護審議会委員ら
市中央公民館職員や文化財保護審査会委員らが水消火器を使った

 「文化財防火デー」(26日)の消防訓練を当日午後1時30分、別府市中央公民館で実施し、21人が参加した。
 文化財防火デーは昭和24年1月26日、法隆寺(奈良県斑鳩町)金堂の壁画が火災で焼損したため、文化庁と消防庁が昭和30年、1月26日に制定。両庁は同年から各都道府県・市町村教育委員会、消防署、文化財所有者の協力を得て、文化財防火運動を始めた。
 文化財の被災を未然に防ぐ意識向上や被災時の被害軽減を図ることが目的。
 同館の講座室で、市消防本部予防課員が「一昨年10月31日に、沖縄県の首里城が燃えました。太平洋戦争を含めて4回焼失しています。今回で5回目です。原因の特定に至っていないという。首里城の火災からの教訓として、消防法や建築基準法とは別の観点から防火対策が必要。施設の管理や運営方法の見直し、訓練を頻繁にして自衛の方法を考えることが必要」を講話した。
 また、消火器の使い方のレクチャーがあった。
 続いて、市中央公民館敷地内にある「千辛万苦之場」の中を見学した。
 その後、市中央公民館の職員が水消火器の使い方を学んだ。
 最後に、永路尚道市消防本部予防課長は「文化財は木造が多く、火災が発生すれば延焼拡大は免れない。公会堂の千辛万苦之場も、市公会堂の職員の皆さんの尽力で火災予防が保たれていると思います。今回は大きな訓練をしませんでしたが、火災予防の認識につながったと思います」とあいさつした。
 別府市内の文化財は、国指定5、県指定17、市指定36、国登録19の計77点・カ所ある。