2市1町で構成する別杵速見広域圏事務組合議会(堀本博行議長)は、令和3年第1回定例会を16日午前10時から、別府市議会議場で行った。
はじめに松川章三氏(別府市議長)の代わりに日名子敦子氏(別府市議)が入ったため、議席の一部変更が行われた。
管理者の長野恭紘別府市長が提案理由の説明の前に、秋草葬祭場設備等改修事業について「計画どおり、火葬炉全9炉のうち5炉を更新して、順次、使用を開始している。令和3年度は、残りの火葬炉更新と収骨告別室の工事などを行い、平成31年2月から実施してきた改修工事は、令和3年8月に完了予定。運営しながらの工事となるので、利用者にサービスの低下を招かないよう全力で取り組む」と報告した。
今議会では、令和2年度の一般会計、秋草葬祭場事業特別会計、藤ケ谷清掃センター事業特別会計、介護認定審査会事業特別会計の補正予算、令和3年度の当初予算が上程された。
補正予算案は、一般会計は750万円の増額(補正後予算額11億7594万7千円)。秋草葬祭場事業は150万円の減額(5億4330万1千円)。藤ケ谷清掃センター事業は100万円の減額(11億8004万9千円)、介護認定審査会事業は380万円の減額(2528万1千円)。
当初予算案は、一般会計は11億9894万2千円(対前年度比3049万5千円増)、秋草葬祭場事業は5億2533万8千円(1946万3千円減)、藤ケ谷清掃センター事業は12億2452万2千円(4347万3千円増)、介護認定審査会事業は2765万4千円(142万7千円減)を計上した。
一般質問では、泉武弘氏(別府市議)が広域圏事務組合事業の見直しとして介護人材問題について「高齢者の増加とは反面、介護人材確保対策室の試算では介護人材は2020年と25年を比べたとき、30万人不足するとと試算している。2市1町の介護保険施設を調べると、別府市は268事業所4115人、杵築市は63事業所999人、日出町は48事業所730人。介護支援事業所の廃止と休止は、別府市で休止6事業所、廃止8事業所。杵築市はゼロ、日出町は休止1事業所、廃止2事業所。原因は介護人材が確保できないこと。福祉を求める人は増えているが、福祉現場で働く人が確保できない。介護人材確保は深刻な問題。検討してほしい」と質問。
永松悟副管理者(杵築市長)が「介護を必要とする人は劇的に増えるが、働く現役の人が急激に減少する。介護保険が持続可能な制度なのか、介護現場で働く人の労働環境はどうなのか。介護職を希望する人がきちんと研修を受けて働き甲斐があるのかが問題。杵築市大田の特別養護老人ホームで、有償ボランティアというものがある。施設を退職した人が働いており、自分たちが介護を受けないようにしている」。
本田博文副管理者(日出町長)は「介護人材の確保は重要な課題。介護人材に限らず、看護師不足が叫ばれている。有効な手はないが、介護ボランティアの育成をしたり、介護に関心のある人と事業所のマッチングを行う中で、働く人を増やす取り組みをしている。引き続き行っていく」とそれぞれ答えた。
本会議をいったん休憩し、総務福祉(阿部素也委員長)と環境衛生(森昭人委員長)の各常任委員会を開いて、上程中の議案について審議した。
その後、本会議を再会して阿部(杵築市)、森(日出町)両委員長から原案通り承認することを報告。平野文活氏(別府市議)が反対討論を行った。表決が行われ、一部反対があったが上程中の議案すべてを原案通り可決した。