障がい当事者らが共同で現地調査

富士見通りで歩道の現状を調査した

 別府市、NPO法人自立支援センターおおいた、大分県、市身体障害者福祉団体協議会は29日午後1時半から、共同で共生社会実現に向けたバリアフリー課題箇所の調査を行った。これまで、自立支援センターと別府市の道路河川課(当時)が一緒に調査をしたことはあったが、4者で行うのは初めて。
 別府市では、誰もが安心して安全に暮らせる共生社会の実現に向けて「別府市共生社会実現推進基金」を新設した。市民生活の中で、歩道などを通行する際に、バリアフリー対策が必要な箇所を具体的に把握して、誰もが自立した日常生活や社会生活を営むことが出来る環境に整備をするための第一歩。
 車椅子ユーザーと視覚に障がいのある人らが参加。富士見通りの国道10号から市保健センターまでの約1㌔を、2班に分かれて調査を行った。野口ふれあい交流センターを出発して、東側と西側に分かれて調査。勾配や傾斜、幅員は十分か、舗装面の破損や凹凸、歩道と車道の段差など、細かくチェックした。
 都市整備課の山田栄治課長は実際に車椅子に乗って、車椅子利用者の目線に立って調査に参加。ちょっとした段差が上がれなかったり、平坦だと思っていても車椅子に乗ると横の勾配があるなど普段、気づきにくいことを体験したという。「どういう整備が出来るか、周囲への影響も考え、計画的に優先順位をつけて整備をしていきたい」と話した。
 大久保智障害福祉課長は「法的な規定内で問題はなくても、障がいのある人や高齢者にとっては勾配や段差がキツイことがある。これまで、共感はしてきたつもりだが、実感できたのではないかと思う」とした。
 後藤秀和NPO法人自立支援センターおおいた理事長は「(団塊の世代が後期高齢者になる)2025年問題があるが、別府市は高齢化率が進んでおり、障がいのある人も約8千人いる。バリアフリー問題は、他人事ではない。ところどころ改修はしてくれているが、全体的に限界に来ているのではないかと思う」と述べた。
 別府市では、8月末まで、バリアフリー課題箇所の意見を募集している。道路の破損などをスマホなどから写真を撮って投稿する「Fix My Street Japan」のウェブサービスを利用して、意見を募集している。詳しくは、別府市の公式ホームページを参照を。