別府市議会が大学との連携を模索

議会と大学の連携について話す清水局長
先進地の大津市の取り組みについて話を聴く別府市議ら

 別府市議会(松川章三議長)は21日午後3時、本会議場で講演会を開いた。議員18人が出席した。
 別府市議会は、市内大学との連携を模索しており、先進地である滋賀県大津市議会の清水克士議会事務局長を講師を招き、可能性について話を聞いた。テーマは「大学との連携協定~議会改革や連携協定の重要性~」。
 松川議長が「大学との連携協定をすることで、市議会に何があるか。大学の専門的知見や学生の斬新なアイデアを取り入れて、政策立案や提言につなげていきたいと思っている。大津市議会は全国でも進んだ議会。議員個人が政策立案、提言が出来るようにしていきたい」とあいさつ。
 清水局長は「大学との連携協定は、議会の政策立案能力を強化して、本来の二元代表制の強化のためのステップのための手段であって、目的ではない。優先順位としては、コンプライアンス体制の確立、情報公開、議会機能強化、合理化だと思います。議会は立法機関なので、政策条例の議会提案が王道。その1つの手段が大学との連携」とし、連携する際にネームバリューではなく、本業ではない「プラスα」の仕事を面白がってやってくれる先生や大学職員と出会うことが連携成功のカギだと話した。
 「市議会として何がやりたいのか。専門にしている先生を探して、所属している大学と連携を最優先するのが近道。また、一番最初につながった大学教員と当初の課題についてうまくいっても、次の課題についてもうまくいくとは限らない。1人の先生の信者になるのは避けた方が良い。1人の研究者がすべての行政課題について最適であるという保証はない」と述べた。
 大津市議会では、会派でプログラムを作って大学生のインターンシップを受け入れている。学生が見て、魅力的だと思うところに行く。「最初はしぶしぶの会派が多かった。希望者がいない会派は何故選ばれないのかを考え、プログラムを改良している。会派間の切磋琢磨が生まれたなど、多様な面で変わった。やってみると値打ちがある」と言う。
 また、大学図書館との連携の有用性について「レファレンス(図書館員が必要とされる資料を検索・提供・回答することで利用者の学習や研究、調査を手助けする)機能を強化する1つの手法として図書館との連携を選んだ。普段、教授からのレファレンスに応えられる司書が大学図書館にはいる。ただし、大学の図書館に関係者以外の人が入るということで、図書館との連携はとても難しかった」と振り返った。
 最後に、安部一郎広報広聴委員長が「多岐にわたり、いろんな話をありがとうございました。個人としても、議会としても今後の活動に役立てたい」とお礼の言葉を述べた。