別府警察署(幸野俊行署長)は28日午後3時30分、特殊詐欺被害未然防止に貢献した大分銀行鉄輪支店兼亀川支店(安部萬治郎支店長)の行員2人に感謝状を手渡した。
感謝状を手渡した幸野署長は「今回のように息子をかたる『オレオレ詐欺』は被害額が大きくなる。『自分はだまされない』と思っているので、水際対策として最終的に現金が動く場所の銀行などの金融機関やコンビニなどで声をかけてもらって、おかしいと思ったら110番通報をして、警察官が説得するようにしています。金融機関、コンビニ、警察が連携して、水際で被害を防いでいく」と述べた。
大分銀行鉄輪支店兼亀川支店に19日昼ごろ、市内在住の80歳代男性が現金300万円を下ろすため、来店した。
窓口で対応した二ノ宮圭江さん=日出町=が高額の出金だったため、話を聞いたところ、数点おかしな点があり詐欺を疑った。上司の後藤久美子さん=由布市=に相談し、2人で別室で話を聞いた。すると、病院の医師を名乗る男から「息子さんが喉の精密検査をする」などと電話があり、その後、息子を名乗る男から「麻酔を打ったから声がおかしい。財布と会社のキャッシュカードを落としたので、300万円を用意してほしい。後で取りに行く」などと電話があったことが判明。男性は「午後2時に息子が取りに来るから、早く手続きを」と話すが、2人は「オレオレ詐欺」と見抜いて「出金は出来ません。大分市などでも被害が出ていますので、息子さんが来てから、一緒に来店して下さい」と一度帰宅するように促した。男性が出店後、すぐに警察に通報。自宅に帰った男性を、男性宅に臨場した警察官が説得して被害を未然に防ぐことが出来た。
二ノ宮さんは「今回、経験したことによって、お客さまの預金を無事にお守りすることが出来て、これからも今までと同じように声かけなどを続けて対応していきたいと思います」。
後藤さんは「本当に詐欺を疑ってなくて、実際に遭いそうになったので、お客さまの預金を守るために今一歩踏み込んだヒアリングを続けていきます」とそれぞれ述べた。