定期借家契約などで活用

空き家の活用方法などについて行われたセミナー

 一般社団法人別府市産業連携・協働プラットフォームBーbizLINKは7月28日午後1時半、空き家・空き店舗再生セミナーを大分みらい信用金庫鉄輪支店会議室で開催した。6人が参加。
 旅館や店舗の経営者が高齢化などで廃業し、居住のみとなったりそのまま空き家となって廃墟になるケースがある。これらの資産価値を観光財産として保全し、地域住民の住環境を維持する目的で開催している。
 不動産鑑定士の土師一弘さんが「空き家の利活用方法について~財産の管理、運用編~」と題して講話した。
 土師さんは、空き家対策として「定期借家契約」を提案。「借家契約について、一定期間を設けることで、居座りなどを防ぐことができる、また、借主にもメリットがある。通常では貸してくれない優良物件が借りられる可能性や借りられる期間が決まっているため、計画が建てやすい」と話し、期限を最初から決めることで、お互いにメリットがあるとした。
 また、家族信託の考えも示した。「信託には、委託者、受託者、受益者がセット。高齢のお父さんが息子に経営を託し、儲かったお金はお父さんに戻るという同じ人が委託者と受益者になるパターンが一番多い。法改正により、一般の人でも信託できるようになった。財産管理と遺産分割の新しい手法で、税金面でもメリットがある。信託契約をすることで、自分が認知症になっても安心」などと話し、例を上げながら有用性について説明をした。
 また、NPO空き家サポートによる個別相談会も行われ、それぞれの事情に応じた現状を聞き、アドバイスをした。