明豊、全国制覇の夢届かず

力投及ばず、敗退となった対専大松戸戦
(写真:読売新聞提供)

 第103回全国高校野球選手権大会の4日目となる16日、第2試合に大分県代表の明豊が千葉県代表の専大松戸と対戦し、0―6で敗れた。春の選抜で準優勝に輝いた、明豊の1回戦敗退は予想だにしない結果となり、目標に掲げていた「深紅の大優勝旗を別府に持って帰る」という夢は、今回叶わなかった。しかし、今後強くなるためのバトンが次代に渡された。
 爆発力のある明豊打線は、プロ注目の深沢凰介投手と対戦。1回表1死に2番の黒木日向選手が三塁への内野安打で出塁するが、後続が続かなかった。3回表には、7番の塘原俊平選手が右前安打、8番の蓑原英明選手が投ゴロを打つが深沢投手の悪送球で無死1、2塁と得点の好機を迎えた。しかし、今年の高校生ナンバーワンサイトハンドと呼ばれる深沢投手の壁は厚く、3者連続三振した。5回表1死、8番の蓑原選手が左前安打で出塁すると、9番打者のエースの京本眞投手に変わり田中文都選手が死球で1死1、2塁と得点の好機を迎えた。2番の黒木選手が遊撃手のエラーで2死満塁としたが、あと1本が出なかった。8回表、2番の黒木選手が遊撃手ゴロを打ったが、遊撃手の悪送球で黒木選手は2塁へ進み、無死2塁とする。しかし、ここも深沢投手に2連続三振を奪われ、得点には至らなかった。9回表、6点を追いかける明豊は、5番の山本晃也選手が二塁ゴロで1死。6番の幸修也主将が右前安打で1死1塁。7番の塘原選手に代打として筒井翔太選手が登場。フルカウントから一塁ゴロを打ち、一塁走者は封殺され、筒井選手が出塁。8番の蓑原選手が見逃しの三振で試合が終わった。
 専大松戸は、明豊のエース京本眞投手から3点、財原光優投手から1点、太田虎次朗投手から1点、森山塁投手から1点を入れた。深沢投手は、明豊打線を抜群のコントロールで9回無失点11奪三振と抑え込んだ。
 川崎絢平明豊野球部監督は「深沢投手には大人のピッチングをされてしまいました。外を中心に攻めてくる投球をどう打つかだったが、なかなか徹底が出来なかった。(京本投手が立ち上がりに点を取られたことについて)先制点が大きな鍵を握るということは分かっていたが、専大松戸の方がしっかりと準備をしていた。こちらの方が若干、浮足立ってしまった。専大松戸は非常にしぶといチーム。基本に忠実で負けない野球をする。明豊もそのような野球を目指したが、今日は出来ませんでした」と話した。
 また今大会は雨のため、3日連続の順延。これは昭和50(1975)年以来46年ぶりとなった。