2署合同の山岳救助訓練

急傾斜から滑落したけが人をストレッチャーに乗せて救助した

 別府市消防本部、由布市消防本部、県防災航空隊の約50人は7日午前9時、由布岳(標高1583㍍)で2署合同山岳救助訓練を行った。
 別府市と由布市の境界には由布岳や伽藍岳などの山々が連なり、登山の人気も高い一方で過去には救助事案なども発生しており、迅速、的確な対応が求められる。別府市消防本部と由布市消防本部相互の応援体制の確立および大分県防災航空隊との連携をより強固にすることが目的。
 由布岳に入山した登山者2人のうち1人が急傾斜付近で足を滑らせ、もう1人が助けようとしたところ、2人一緒に急斜面を約10㍍下まで滑落し負傷。軽症である1人が携帯電話により119番通報し由布市消防本部にて覚知。由布市消防本部は、相互応援協定に基づく応援を別府市消防本部に要請するとともに大分県防災航空隊にも出動要請を行う―と想定。
 合野越に防災ヘリから別府市消防2人、由布市消防2人が降下し、名前を呼びながら合野越から登山道を下りながら要救助者を探した。要救助者から返事で、現場に到着。名前やケガの状況などを確認し、滑落している要救助者の元に行くため、木を傷つけないよう養生して結び付けたロープを使って降りた。1人は右腕を負傷だが歩行可能、1人は腰部と頭部にケガをし歩行不能の状態と分かった。由布岳正面登山口から歩いて上がってきた別府市と由布市の両消防署員が現地に到着し、養生した木にロープなどを取り付けて、歩行可能な1人を救助。その後、消防署員と一緒に下山した。歩行不能の要救助者はタイタン(バスケットストレッチャー)で急傾斜の下から救助。合野越まで運び、防災ヘリに引き上げた。
 訓練終了後、髙橋尚敏別府市消防署長が「別府市、由布市が合同で山岳救助訓練をしましたが、連携、情報の共有と素晴らしい活動をしたと感じています。登山客の皆さんは、必ず入山届を記入していただきたい。軽装での登山は止めていただき、食糧や水分は一昼夜ぐらいは過ごせるものを持って行っていただきたい。十分に気をつけてほしい」と話した。