飲食店がホテルにデリバリーサービス

ホテルにいながら別府の「食」を楽しんでほしいと
ホテルデリバリーを本格的にスタート

 コロナ禍で多くの業種が苦境に立たされる中、別府駅前通商店街振興組合(照山秀逸理事長)は、飲食店が27日から、北浜界隈のホテルと連携して、ホテルにデリバリーをするサービスを本格的に始めた。
 昨年から新型コロナウイルスの影響で時短営業や休業などを余儀なくされてきた飲食業界。「この窮地を何とかしたい」と昨年から計画をしてきたという。別府には少ないながらも、一定数訪れる人はいる。「コロナのせいで、宿泊はするが、あまり街中をウロウロしたくないというお客が多いことに気づいた」という。
 また、街中にあるホテルは、飲食は外でという傾向にある。「ならば」と、飲食店がホテルに「ルームサービス」のようにデリバリーを行い、地元の味を楽しんでもえるようにしてはどうか、と逆転の発想で今回のサービスを行うことに。
 しかし、7月から始めようとした矢先に、再び感染が拡大したことなどから本格的なスタートが切れずにいた。26日で県が時短営業を解除し、「新しいおおいた旅割」をスタートすると発表したことで、26日からの実施を決めた。
 現在、登録をしている飲食店は3店舗。商店街振興組合の副理事長を務めるバー「レフトアローン」の松原順子ママは「コロナ禍で、各店主と話す機会がなかなか持てなかったが、これから少しずつ登録店を増やしていきたい。ホテルについても、現在3施設と提携している。ここからがスタートなので、徐々に拡大をして、多くの人に別府を楽しんでもらいたい」と話す。
 メニューは、ノンアルコールカクテルやカレー、一品料理、スイーツ系などで、各店舗が工夫をして設定をしている。今後は、郷土料理を出す店にも参加してもらいたい意向。「別府のホテルに泊まると、外に食事などに行けなくても、美味しい物が部屋にいながら食べられる。そんなシステムにしていきたい」と意気込む。
 全国的にも珍しい取り組みで、観光客、ホテル、飲食店それぞれがウィン・ウィンの関係になれる取り組みに期待が集まっている。