一般社団法人豊の国千年ロマン観光圏(会長、松川幸路別府市観光・産業部長)と国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会(林浩昭会長)は14日午後2時、京町のAPUプラザ・オオイタとオンラインで「国東半島宇佐地域世界農業遺産『GIAHS(ジアス)』ガイド育成研修会」の第1回を開いた。
豊の国千年ロマン観光圏は、大分県北部エリアの別府市、中津市、豊後高田市、杵築市、宇佐市、国東市、日出町、姫島村の8市町村で構成され、各地域間の連携を図りながら、広域的な観光地域づくりを展開している。
世界農業遺産は、国連食糧農業機関(FAO)が2002年から認定をしているもので、伝統的な農業と農業によって育まれ、維持されてきたため池や農地、水利施設などの土地利用、技術、文化風習、風景、それを取り巻く生物多様性の保全を目的に、世界的に重要な地域の農林水産業システムを対象としている。6月末で、世界22国62地域、日本は11地域が認定されており、大分県内では国東半島・宇佐地域のみ。
国東半島・宇佐地域は、2013年に「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」をテーマに、降水量が少ない中で、いかに工夫をして農業を行ってきたかが認められた。
林会長が、取り組みの概要を説明。「水を確保するために、昔から、小規模なため池を連携させるシステムを確立して、今でも生きている。また、ため池連携の現代版といえる、連携式ダム灌漑システムを作りだした」とその独特な仕組みを紹介。しいたけ生産のためにクヌギを伐採しながらも、切り株を残すことで再びクヌギを15年かけて育てる循環利用サイクルにも触れて「ただ伐採しているのではない。若いクヌギ林を保っていくことを大切にし、森林を持続的に管理をしている」と話した。
杉浦嘉雄日本文理大学名誉教授が「荒木川(国東市)流域プロジェクトの取組みついて」と題して講義。参加者で研修会での気づきなど意見交換を行った。
2回目以降は10、11月に行い、フィールドワークも予定している。