国民の信を問う

 財務省の事務次官が岸田文雄総理のコロナ支援給付金を「バラマキ」とおちょくり、月刊誌に寄稿。帝政ローマの庶民政策「食糧」と「娯楽」を与えれば民は納まる的な論調で仕立て上げた。現職の官僚トップが、月刊誌を利活用して情報発信。
 まず彼の意図として▽岸田氏のリーダーシップの欠如▽財政の逼迫憂慮▽衆院選直前のタイミング▽財務省の威示行為――などを感じさせた。
 反面、岸田氏のリーダーシップは未知数である。そして一時的給付が招く財政逼迫を未然防止する手法の欠如。「私信」を政治利用。さらに省権威の肥大化を強く感じさせた。
 与野党一律10万円給付でジタバタするな。この程度でははっきり言って少なすぎる。政官が湯水の如くタレ流した永年の税金のムダ使いを考えると、まだまだ足りない。10万円を「バラまき」とする国民に対する意識の低さも問題だ。
 一国のリーダーを外の力を借りて批判する行為は、国に対する背信行為にも値する。
 確か数年前、国家国民の財産である国有地を法外な値段で手放し、担当者に職権をもって方針強要し、その若き担当官僚は自らの命を絶った「事件」。これも財務省で起った悲惨な出来事だった。―――国民に納得のいく説明責任未だ完結されず、政権批判して意識を逸らすとは思えんが。
 就学子弟を有する1人親の世帯への支援、医療介護従事者支援、零細企業個人事業主の支援救済は、確かな「国防政策」に値するという思いはないか。今日14日、衆院が解散する。財務省も一度解散して、国民の信を問うてみるか?

※久々に「いいたい砲台」執筆しました。コロナの一日も早い収束を願い、あと3カ月足らずの21年、皆様お元気でお過ごし下さい!  (陽)