荘園の七ツ石稲荷神社の境内等整備

多くの住民らが参加して盛り上がった温泉まつり
手作りお守りを配る森さん

 別府市荘園にある七ツ石稲荷神社で「温泉祭り」が27日午後2時、境内で行われ、多くの地域住民らが訪れた。
 同神社は、1600年9月、石垣原合戦の激戦地といわれる七ツ石公園内にある。七ツ石は、大きな石が7つあることからつけられた名称。京都の伏見稲荷社のお札が祀られている。いつ誰が祀ったのかは分かっていないが、言い伝えによると、村人から大きな石の上に白狐がよく出るとの噂が広がり、お参りするようになったという。
 石の上に建つ社は、昭和16年に病気平癒を願って元気になった吉川増太郎・静子夫妻がお礼に建立した。その後、有志によって管理が行われ、平成23年には老朽化していた大鳥居が荘園青壮年会によって建て替えられた。
 神社の魅力を発信しようと、境内に石垣原合戦の慰霊碑を移設、新たに「七ツの石」を特定してパワースポットに認定。合戦にゆかりのある大友義統や吉弘統幸、黒田官兵衛、騎馬武者像を設置するなど整備を進めた。
 そんな神社で温泉祭りを提案したのは、愛知県立芸術大学に通う森千紘さん(22)。森さんは玖珠町出身で、卒業制作のため地元に戻り、「大分県といえば温泉。温泉といえば別府」ということで共同温泉などについて調べている課程で、高齢化などにより維持管理が難しくなるなどの理由で共同温泉が減っていることを知り、温泉に付加価値をつけて地域活性化が図れないかと考え、市観光協会に相談したところ、七ツ石稲荷神社の取り組みを紹介されたという。境内には温泉施設もある。
 詩吟「石垣原懐古」が披露されたあと、ひょっとこ踊りが盛り上げた。
 また、森さん提案の手作りお守りの配布、野菜や小物などの販売などがあり、子どもからお年寄りまで集い、賑わった。