APUで教室棟とAPハウスを新築

関係者が出席して行われたAPハウスの安全祈願祭
大分県と木材の利用促進と教育に関する協定を結んだ

 学校法人立命館は16日午前9時45分、別府市の立命館アジア太平洋大学(出口治明学長)=APUで2030年の「APU未来構想」に伴う、新教室棟と国際教育寮APハウスの建設を発表した。開学以来の大規模建築となる。
 APUは2023年に観光系の新学部「サスティナビリティ観光学部(設置構想中)」の設置や既存の2つの学部の改革などを行うことにしており、APUの特徴である「学び方」を支える教室への進化を図る。
 新教室棟は、カーボンゼロ社会を目指して、一部を木造建築とする。大規模建築の構造にも木材を使用できることになり、国内大学では初めて、大規模3階建ての準耐震建築物を木材で行う。450平方㍍で木材を使用し、そのほとんどを大分県産のスギの木を使用する。国内トップクラスの木材使用量となる。生きた教材として活用し、持続可能な社会の実現向けて学び、情報発信を行う。
 APハウスは、これまでも2つの学生寮があるが、希望する日本人が全員は入寮できない状況にあった。寮は1年生の外国人留学生を最優先に受け入れ、日本での生活について学ぶ場となっている。しかし、「小さな世界」に入りたいと願う日本人学生は多くいたが、全員が入寮することは出来ていない。そのため、新たに寮を作り、寮生のプライバシーを守りながら、寮生以外の学生や地域、企業の関係者が自由に出入りして交流できるスペースを設ける。また、非接触のドアやエレベーターを採用するなど感染症対策にも力を入れる。
 会見で、森島朋三立命館理事長が「APUの機能を生かし、学生、教員、地域、企業の連携がより強化されることで、地域の発展に寄与したい」。仲谷善雄総長「APUは小さな世界。この取り組みは必ず、世界各地で具体的な成果をあげると思う。これからの新展開に引き続き、注目してほしい」とそれぞれ述べた。
 さらに、大分県と「木材の利用促進と教育に関する協定」を締結。尾野賢治大分県副知事が出席して、県産木活用の調印書に署名した。
 引き続き、APハウスの新築工事に伴う安全祈願祭も行われた。