日出町公営企業運営審議会(会長・日廻文明関西大学院大学経営戦略研究科教授)はこのほど、日出町の下水道使用料について「将来にわたって安定した経営を継続するためには、改定が必要」とし、改定率は「10%が適当」との答申を行った。
下水道事業は、環境衛生や水質保全など、地域住民にとって欠かすことができない重要な役割を果たしている。日出町の下水道事業は、人口減少の中でも整備を拡大することから、令和10年度までに水洗化人口が伸び、使用料も伸び、その後は減少の転じると見込まれている。
一方で、施設整備や維持管理に多額の費用が必要となり、経費全てを受益者負担とすることは難しいため、一般会計から多額の繰り入れを行うことで財源補てんをしているのが現状。
公営企業会計においては、独立採算制が原則とされており、一般会計からの繰り入れをなくすよう検討が必要となる。また、一般会計も社会保障費などの増額などにより逼迫しており、行財政改革プランを策定して取り組んでいる中で、他事業会計への操出金を減少させる必要がある。さらに、一般会計からの過剰な繰り入れは、下水道に接続していない住民からの税金等で賄うことになり、公平性に欠けるーと指摘。住民への十分な周知期間を設けるため、改定は令和5年4月1日が適当とした。
付帯意見として、使用料改定による収益増加策だけではなく、支出の整理や削減を常に意識し、一層の経営努力をすること。実際に改定となれば、14年ぶりの改定となる。今後は、5年毎に策定する経営戦略に基づいて、定期的に見直しの検討を行うこと、とした。
日出町では、答申を受けて使用料改定について検討を行う。