食物栄養学科の卒業研究発表会

発表する食物栄養学科3人

 別府溝部学園短期大学食物栄養学科(牧昌生学科長)は「令和3年度卒業研究発表会」を25日午前9時、同学園85年館多目的ホールで行った。
 8班22人が行い、稲田春佳さん、佐矢野瑛月さん、宇戸りささん、加藤由佳さんの4人が「温泉蒸気を利用した『地獄蒸しパン』のレシピ開発」をテーマに発表した。
 「地獄蒸しは、温泉蒸気を利用した調理法で、魚介、肉、イモ、トウモロコシ、タケノコなどを蒸すことが多いです。このとき使われる器具が地獄釜と呼ばれています。私たちは、地獄釜でパンを作ってみたいと考え、地獄蒸しパンのレシピ開発を試みました。さらに、開発したパンのレシピを『地獄蒸しパンのレシピ集』として冊子にまとめましたので、本日、皆様に配付させていただきました」と述べた。
 温泉蒸気の温度や量は、季節や天候などで変化する。地獄蒸しパンをおいしく作るため、加熱温度が重要であると考え、地獄釜の内部温度を測定。その後「ドライイースト」と「ベーキングパウダー」を使用したものを作った。
 また、石﨑風菜さん、佐藤瑛さん、塩浦真由子さんの3人が「地域食材の活用と全粒粉の可能性」について発表した。
 「大分県の郷土料理に小麦粉を使用することが多い。食べる頻度が高い郷土料理として団子汁や、やせうまは、小麦粉が使用されています。その小麦粉を全粒粉に変えることで、栄養バランスの改善や将来の健康維持に繋がるのではないかと考えました。そしてこの普及こそが突破口と考え、幅広い年代に愛されるレシピ開発をすることにしました」と話した。
 全粒粉だんご汁を、由布市湯布院町にある共生型デイサービス「明日天気になあれ」と湯布院駐屯地で提供できることになり、試食後意見を聞くことができた。アンケート結果から、大分県民は「まったく食べない」という人もいたが、「よく食べる」と回答した人もいて、郷土料理として家庭で食べられているのかなと感じた。
「また食べたいか」との質問に167人中87人が「また食べたい」と答え、想像以上に多くの人が美味しいと感じてくれたと思ったという。
 各班は10分間の発表後、質疑応答があった。