昨年1年間の別府市消防まとめ

全焼した石垣西の店舗=昨年1月5日昼

 別府市消防本部は1日、昨年1年間の火災、救急、救助活動の概要をまとめた。火災件数39件(対前年比9件増)、救急出動件数6483件(93件増)、救助出動件数65件(1件減)となった。
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 火災件数は39件(対前年比9件増)で、約9日に1件の割合で発生している。
 39件の内訳は、建物19件(全体の48・7%)、その他11件(28・2%)、林野火災5件(12・8%)、車両火災4件(10・3%)。船舶火災及び航空機火災は発生していない。
 火災損害額は8925万6千円(5635万4千円減)、建物焼損面積794平方㍍(1327平方㍍減)、林野焼損面積41㌃(769㌃減)、建物焼損棟数32棟(3棟減)、り災世帯数25世帯(11世帯減)、り災人員54人(9人減)、死者2人(同数)、負傷者6人(1人減)となっている。
 建物焼損棟数32棟の内訳は、全焼3棟(4棟減)、半焼1棟(2棟減)、部分焼10棟(1棟増)、ぼやが18棟(2棟増)。建物火災のみの損害額は8413万5千円となっている。
 出火原因は、「こんろ」と「放火の疑い」が4件ずつと最も多く、「火入れ」と「電気機器」が3件ずつ、「たばこ」「電灯電話などの配線」「配線器具」「ストーブ」が2件ずつ、「放火」「火あそび」「衝突の火花」が1件ずつ、「その他」「不明」が7件ずつ。
 「電気機器」は、リチウムイオン電池などから出火。「電灯電話などの配線」は、電気コードから出火。「配線器具」は、家電製品の配線などから出火。「その他」の内訳は、「焼却ゴミの火種」「再燃」「火工品」「電柱の鳥の巣」「摩擦熱」「火花」など。
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 救急出動件数は6483件(対前年比93件増)で前年と比べて1・5%増、1日平均17・8件の出場をしている。
 また、搬送人員5820人(7人減)で0・1%減少している。市民の19・5人に1人が救急隊によって搬送されたことになる。急病3812人(全体の65・5%)、一般負傷1007人(17・3%)、転院搬送572人(9・8%)、交通事故300人(5・2%)となっている。傷病別は、死亡112人、重症591人、中等症2686人、入院加療を必要としない軽症傷病者およびその他2431人。年齢別では新生児(生後28日未満)・乳幼児(生後28日以上から満7歳未満)203人、少年(満7歳以上から満18歳未満)128人、成人(満18歳以上から満65歳未満)1513人、高齢者(満65歳以上)3976人。高齢者が全体の68・3%を占めている。
 出動件数6483件のうち、119番入電から現場到着までに要した時間(現場到着時間)は5分以上10分未満が最も多く、72・6%となっている。別府市の現場到着時間は平均7・7分。
 119番入電から医療機関に収容するまでに要した時間(病院収容時間)は、20分以上30分未満が全体の50・9%と最も多く、次いで30分以上120分未満の40・2%だった。別府市の平均時間は29・4分。
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 救助出動件数65件(対前年比1件減)、活動件数33件(12件減)、救助人数34人(14人減)と、いずれも減少した。
 出動件数は内訳は、建物等による事故21件(対前年比3件増)、交通事故16件(4件増)、水難事故4件(同数)、機械による事故1件(同数)、ガス及び酸欠事故1件(1件増)、その他の事故22件(5件減)だった。
 活動件数の内訳は、建物等による事故13件(対前年比2件減)、交通事故5件(1件増)、水難事故3件(1件増)、機械による事故1件(同数)、ガス及び酸欠事故1件(1件増)、その他10件(9件減)となっている。
 救助人数の内訳は、建物等による事故が13人(対前年比2人減)、交通事故6人(1人増)、水難事故3人(1人増)、機械による事故1人(同数)、ガス及び酸欠事故1人(1人増)となっている。
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 井元隆文警防課長は「施設の防火管理業務の徹底を啓発するとともに、建物火災で死者を出さないためにも、住宅用火災警報器の維持管理、防炎品などの普及促進活動を行い、総合的な防火対策を推進してまいります」
 「救急に関しては、新型コロナウイルス感染症のオミクロン株の拡大で、市内の各医療機関はコロナ患者の入院用病床の増設などの対応に追われており、一般の病床に影響が出ております。市外の医療機関への搬送が現実問題として考えられます。その影響が特に現れるのが、夜間帯と休日です。当直している医師が専門外の病気やケガであれば、救急車を受け入れる医療機関もますます限られます」
 「救急車の誤った利用例として『救急車で病院に行けば早く診察してもらえる』『タクシーはお金がかかるから』などがあり、重症者の救急搬送に支障を生じてしまいます。今一度、救急車の適正利用のご理解とご協力をお願いいたします」と市民に理解と協力を求めている。