特殊詐欺被害未然防止で感謝状

感謝状が贈られた小田英司さん(右)

 別府警察署(幸野俊行署長)は8日午後4時、特殊詐欺被害未然防止に功労のあった別府市在住で一般社団法人I・win団体職員の小田英司さん(58)に若草町の同法人で感謝状を贈った。
 今年1月29日午後3時すぎ、市内の金融機関を利用した際、先に入店していた高齢女性が、椅子に座って携帯電話で「今、銀行に着いた」や「通帳はあるが、カードはない」などと話をしているのが聞こえた。小田さんはATM利用後に退店して車に乗り込んだが、高齢女性が気になって再入店。女性は「家にカードを取りに帰る」と話していたため、女性に声かけ。女性の携帯電話で別府署に電話し、警察に相談。女性の要領を得なかったため、小田さんが電話を代わり応対して説明した。その後、小田さんは所要で店を離れた。警察官が高齢女性に詳細を聞いたところ、架空料金請求詐欺(NTTファイナンス)の不審メールを受けたものと判明。小田さんの適切な対応により、特殊詐欺被害を未然に防止した。
 感謝状を手渡した幸野署長が「一般の人が声かけをして、被害を未然防止するというのは珍しい。小田さんが声かけをしなければ、被害に遭っていました。今後ともよろしくお願いします」とお礼を述べた。
 小田さんは「あのときは、人の少ない土曜日のATMだったので、女性が電話で話す声が聞こえた。声かけをしたら、電話の相手が切ったので女性に『それ詐欺だと思います』と言いました。実際に目の当たりにしたので『これは何とかしないと』と思いました。女性が被害に遭わずに良かったです。特別良いことをしたと思っていません。このようなことがマスメディアに取り上げられない、みんなで詐欺を防ぐようになればいいと思います」と話した。
 別府署管内では8日の時点、特殊詐欺被害が3件約210万円発生している。