別府市と日本環境設計が連携協定

協定を交わした髙尾社長(左)と長野市長

 別府市は、日本環境設計株式会社(髙尾正樹代表取締役執行役員社長、本社・神奈川県川崎市)と地域内の資源循環を推進するための包括連携協定を9日午前11時、別府市役所で結んだ。
 日本環境設計は、独自のケミカルリサイクル技術を使い、ペットボトルからペットボトル、ポリエステル繊維からポリエステル繊維の水平リサイクルを実現しているベンチャー企業。ペットボトルを細かく砕いて分子レベルに戻して、不純物を取り除いて、結合させて再びペットボトルを作る。この技術を商用化しているのは同社だけだという。
 別府市では、ペットボトルの資源ゴミ回収が5年間の平均で約330㌧。業者に引き渡して以降はどれくらい再資源化されているのかよく分からない状況だった。日本環境設計が再資源化を担うことで、再資源化の「見える化」を計り、リサイクルを推進したい考え。
 協定では▽域内資源循環に向けた取り組みの推進=資源循環システムの構築や社会コスト削減に向けた取り組みなど▽消費行動のムーブメントづくりの推進=市民参加型のイベントや環境教育などを通じて、循環型社会への機運醸成を図る。資源ゴミの分別・収集はこれまで通りで、4月1日から同社が再資源化を担う。
 長野恭紘別府市長と髙尾社長が調印。髙尾社長は「2007年に会長と2人で作った会社で、『あらゆるものを循環させる』仕組みづくりで技術開発をしてきました。主にペットボトルを独自の技術で循環させ続ける工場をつくっています。循環型社会を実現するためには、消費者や市民の皆さんが1本のペットボトルを循環させようという思いを持っていただくことが大切だと思います。思いを技術と結びつけていきたい」と、再資源化の「見える化」を図る考えを示した。
 長野市長は「川崎工場を見学させてもらったことがありますが、1から1を作り出すのを目の当たりにしました。地球環境は問題が大きくて、当事者意識に欠けることが欠点。みんなが少しずつ心がけることが社会、世界を大きく前進させると思っています。環境政策を前進させる、大きな一歩だと考えています」とあいさつをした。