立命館アジア太平洋大学が春の卒業式

お互いの卒業を祝ってキャップトスが行われた

 立命館アジア太平洋大学(APU)は18日正午、2022年春の学位授与式をビーコンプラザで挙行した。会場には約50人ほどの卒業生が出席し、オンラインとのハイブリッド方式で実施された。
 卒業を迎えたのは、学部は713人(うち外国人留学生175人)、大学院は15人(すべて留学生)。
 学生団体によるパフォーマンスが行われたあと、式典では米山裕・学長代理(副学長)が「卒業おめでとう。学生生活の後半2年間は、グローバルなパンデミックに見舞われ、大学院の皆さんはAPU生活のほとんどをコロナ禍のもとで過ごすことになってしまいました。不便なこと、不安なことも多かったと思いますが、世界に散らばる友人と繋がり合い、励まし合いながら学業を継続し、卒業・修了後の道を切り拓いてきました。皆さんの『逆境に負けない力』に心から敬意を捧げます。今後、人類社会は多くの課題を解決していかなければいけません。APUで身につけた専門的能力、世界の友人と支え合うネットワークの力、コロナを乗り越えた力を生かして、それぞれの解決に向けてリーダーシップを発揮してくれることを願います」と式辞。また、リハビリ中の出口治明学長が、4月から本格的に業務に復帰する旨の連絡があった。
 横山学長代理が学部代表の川上眞紀子さん(22)と大学院代表のファディル・アタラさん(25)=インドネシア出身=に学位記を、ディッサ・シャキナ・アーダニサさん(32)に博士学位を授与した。
 卒業生を代表して、安藤百福賞を受賞した吉川光さん(23)が「APUでの4年間を思い返してみた時、キラキラと輝く思い出が次から次へと頭の中に浮かんできます。3回生では、今年もたくさん楽しいことをするぞと意気込んでいた矢先、コロナウイルスによって希望はあっけなく崩れてしまいました。それでも、視点を変えればピンチはチャンス。この状況でもできることを精一杯取り組もうと食の貧困と食品ロス問題に取り組み、『あまいろ商店』が実現しました。皆さんはそれぞれ別の道を歩むことになるでしょうが、これからも続く人生という道で、お互いに影響を与えあったことは、お金には代えられない財産となるはずです。踏み出した一歩は小さくても、前に進むことをやめなれば、夢は必ず世界を変えることができる」。
 大学院のカーン・エムデイー・インダッド・フセインさん(36)=バングラデシュ出身=は「パンデミックの時代に大学院に進学するという、人生で最も大きな決断をしたのが昨日のことのように感じられます。今の私たちは、以前にも増して、回復力、適応力、共感性、柔軟性に富んでいます。この2年間、人として、社会人として大きく成長しました。生涯にわたっての財産となる人生のレッスンそのものを学びました」とそれぞれあいさつをした。
 式典終了後、キャップトスが行われ、お互いに卒業を祝った。