農林水産省は、新たに全国271地区を選定した「つなぐ棚田遺産」の認定証授与式を3月25日午後1時半、オンラインで行った。
これまで「棚田百選」を認定していたが、認定から20年が経過したことなどから見直しを行った。棚田は、食料生産はもちろんだが、洪水防止、土砂流出防止、水資源かん養など、多面的な機能を持っている。棚田を貴重な遺産として保存していこうというのが目的。
大分県からは10地区が認定され、うち5カ所が別府市内。棚田百選にも選ばれていた内成棚田をはじめ、天間棚田、堂面棚田、大所棚田、東山の棚田群。
認定書授与式のオンラインには、各地区の代表者が別府市役所で参加した。金子原二郎農水大臣がビデオメッセージであいさつ。棚田学会の会長でもあるい山路永司選定委員長(東京大学名誉教授)が棚田の機能などについて話をした。
引き続き、長野恭紘別府市長を表敬訪問し、認定を受けたことを報告。出席者からは、認定の喜びと同時に、今度の維持管理についての不安も出た。
長野市長は「棚田の維持管理は並大抵のことではないと思います。観光客から、別府産のものを食べたいという声があるが、応えられていない。食と観光は大きな柱。どうやってしっかりと残していくか、話し合っていきたい。行政としても、バックアップしていきたい」と話した。