別府市消防本部が初期消火など感謝状

火事現場で連携して人命救助に当たった個人や団体に感謝状が贈った

 別府市消防本部は12日午前10時、同本部で初期消火活動や人命救助功労者表彰を行った。
 表彰されたのは、社会福祉法人別府発達医療センター、鶴見の衛藤成子さん、鶴見自治会。消防本部によると、4月20日に鶴見で発生した火災で、付近住民から「火事が発生している。消火器を持ってきてほしい」との通報を受けて、別府発達医療センターの職員が消火器を持って初期消火を行った。火の勢いが強かったため、消火器での消火はできなかったが、消防隊到着後に消防隊に引き継ぐと、施設に付近住民の避難受け入れを行った。
 衛藤さんは火事現場の近くに住んでいて、騒ぎを聞いて外に出ると、避難できずにいた男女2人を発見。男性が動けないことを知ると、エアコンの室外機をどかして男性を助け出し、女性も自力で避難することが出来た。その後は、住民と一緒に男性を安全な場所まで移動させた。
 鶴見自治会は、火災原因調査時にテントを消防に貸し出すとともに、避難住民の親族等との連絡調整を行うなど、被災者支援を行った。
 浜崎仁孝消防長が表彰状を手渡して「皆さんの行動のおかげで、人命を失うことがなかった。地域をあげての活動で、素晴らしいと思いました。日頃からの意識の高さ、連携があったからだと思います。他の地域での消防訓練でもこの話をして、素晴らしい地域づくり、安全安心な地域づくりとして紹介したい」とあいさつ。
 江藤敏博別府発達医療医療センター常務理事は「鶴見自治会と平成24年度に相互援助協定を結んでいます。昼間は職員が多いので、センターが手助けをし、夜間は見守りをお願いしていることが役に立った」。衛藤さんは「普段は窓を閉めているのですが、たまたま休みで窓を開けていたら声を聞こえた。少し躊躇したが、大きな声でみんなに知らせながら協力し合って助けることが出来た」。三山砂義鶴見自治会副会長兼防災部長は「これまで訓練をしてきたことが少しは役に立ったのではないかと思う」とそれぞれ話した。