「むし湯サミット」で連携深める

むし湯を中心に新湯治やサウナ人気についてシンポジウムが行われた

 NPO法人鉄輪湯けむり倶楽部は19日午後2時から、鉄輪の冨士屋一也百ホール&ギャラリーで「むし湯サミット~本当のむし湯をご存じですか?~」を開催した。約50人が参加した。
 鉄輪むし湯は、700年以上前の鎌倉時代に、一遍上人によって開基されたと伝えられている。鉄輪を訪れた際に、地面のいたるところから噴気が立ち昇る場所だった鉄輪を念仏を小石に刻み、お経を唱えながら噴気を沈め、「むし湯」「渋の湯」「熱の湯」をつくり、病気を湯で治す「湯治」として鉄輪温泉をつくったとされている。薄暗い石室の中で薬草である石菖の上に寝て、8分から10分の間いれば大量の汗が吹き出て、腰痛、神経痛、五十肩、冷え性などに良いとされている。
 第1部は、吉武利文香りのデザイン研究所代表が「別府の至宝~鉄輪むし湯の魅力を深堀り~」と題して講演。第2部は、吉武さん、赤嶺信武一般社団法人ぶんご大野里の旅公社専務理事と矢野義明別府市温泉課主査によるシンポジウムが行われた。
 豊後大野市は「サウナの町宣言」をして、アウトドアサウナを展開している。テントサウナを中心にして、多くの人が訪れるという。赤嶺専務理事は「福岡からのお客が多いが、稲積鍾乳洞ではテントサウナから出て、鍾乳洞の水に入ったり、ロッジ清川では川沿いにあるので、そのまま川に入ったりと楽しむことができる。今後は、サウナ飯をつくろうと考えている。鉄輪と一緒になってテントサウナをより多くの人に知ってもらい、来てもらえるような仕組みが作れないかと思っている」と話した。
 矢野主査は「石菖は、4分の1は栽培し、4分の3は県内各地で自生しているものを職員がとりに行っている。しかし、自生しているものは、災害でなくなったり、その場所が整備されてとれなくなったりすることがあるため、常に探し回っている」。
 吉利さんは「石菖を下がるには、多くの目がある方が良い。自生しているものは、流水がある所などが多いと思う。新湯治場という打ちだしも必要。若い人にも来てもらえるように、分かりやすいキャッチコピーをつけるのも良いかも」と提案した。