消防と県防災航空隊が合同訓練

地上で降下時の姿勢などの説明を受ける消防隊員ら
地上20メートルの高さでホバリングしている
防災ヘリ「とよかぜ」から隊員が
ホイスト降下を実施した

 別府市消防署と県防災航空隊の合同訓練が25日午前10時、別府市中央浄化センターで行われ、市消防本部・消防署員14人、県防災航空隊員5人が参加した。
 昨年度採用などこれまで訓練に参加できなかった消防署員に、林野火災や山岳救助を行う可能性がある県防災ヘリコプター「とよかぜ」との訓練を経て、決まりごとを体感させる。また、災害が発生した場合に備えて、防災航空隊との迅速かつ的確な連携を図り、被害を最小限に留めることが目的。
 はじめに、航空隊員が県防災ヘリコプター「とよかぜ」の横で、消防署員らに誘導要領を指導した。また、ヘリコプターに乗り込む署員6人に対して、搭乗時の注意事項や隊員投入(ヘリコプターからの降下)時の体勢などを説明した。
 続いて、5人を2班に分けて、地上約20㍍でホバリングしているヘリコプターからの航空隊員と消防隊員が一緒に降りるホイスト降下訓練を行った。
 また、空中消火訓練として、消火バケットを取り付けたヘリコプターが飛び立ち、別府湾に3回放水した。
 宮﨑泰典県防災航空隊長が「合同訓練は、その成果を現場で活かしていくために必要なことです。消火訓練をしましたが、別府市でも過去に火災が発生し実働していますので、連携するために重要なことです。また、航空隊にとっても良い訓練になったと感じています」とあいさつ。
 井元隆文別府市消防署長が「防災航空隊の皆さん、実動と訓練の忙しい中、新人に対して分かりやすい指導をありがとうございます。我々も指導要領の勉強をさせていただきました。防災ヘリの最大の利点は『機動性』と『迅速性』。そのため、現場で地上隊がモタモタしていては話にならない。今回は基礎訓練ですが、イメージトレーニングをして助けを求める市民のために1秒、1分でも早く現場に行き、安心安全な救命活動ができるように更なる訓練に励んでほしい」と講評した。
 訓練を終えた谷原光さん(23)=第2中隊本署第1小隊消防隊=は「防災航空隊になりたいという目標があるので、楽しみにしており、貴重な体験でした。防災航空隊の方がどのように動くのか分からないことがあるので、今回のような訓練がコミュニケーションの場となれば。そして知識として学びたいので、今後も参加したい。今回の訓練を通じて、我々地上部隊がどう動けば防災航空隊の方が活動しやすいのかが学べました」と話した。
 今年に入り8月10日までの時点、防災航空隊は4件(山岳救助3件、転院搬送1件)出動している。