別府市「差別をなくす市民の集い」

水平社の活動について語る駒井館長

 別府市、別府市教育委員会、別府市人権問題啓発推進協議会は25日午後1時半、公会堂で「令和4年度差別をなくす市民の集い」を開催した。講師は、駒井忠之水平社博物館長で、「人の世に熱と光と~水平社創立の思想に学ぶ~」と出して講演した。
 今年は、全国水平社が創立されて100周年となる。水平社は「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と人間の尊厳と平等をうたい、1922年3月に設立され、部落解放運動を展開している。部落差別は、日本社会の歴史的過程で作られた、身分制度によって国民の一部が長い間、経済的、社会的、文化的に低い状態に置かれることを強いられた。同和地区と呼ばれる地域の出身者であることなどを理由に結婚を反対されたり、就職などの日常生活の上で差別を受けたりするなどしている、日本固有の人権問題。
 駒井さんは、別府市が行った人権に関するアンケート内容を基に「子どもの結婚相手が被差別地区出身だった場合どうするか」との問いに「分からないと答えている人が一定数いて、これは不定的な回答だと思う」と指摘。「差別は許されないからしないのではなく、自分の権利も侵害される可能性がある、もしかしたら自分がその立場だったかもしれないという共感力や想像力が求められる」とした。
 また、「水平社創立宣言」を読み解きながら、「インターネット上にあるあらゆる情報や偏見に触れた時、正しく見極められることが大切。差別は時間では解決しない。相手のことを知ることが大事。そのためには、教育がとても重要だと思う」などと話した。