「ブルーラグーン」構想、大丈夫か

上程中の議案についての質疑が行われた

 令和4年第3回定例会は本会議を6日午前10時に再開し、上程中の決算以外の議案について質疑を行った。野口哲男氏(自民党議員団)、堀本博行氏(公明党)、山本一成氏(自民新政会)、加藤信康氏(市民クラブ)、美馬恭子氏(日本共産党議員団)、泉武弘氏(行財政改革クラブ)が執行部の考えを質した。
 長野恭紘別府市長が公約に掲げる「東洋のブルーラグーン構想」を実現するための公園整備について、質問が集中。長野市長は「不安を払拭する努力をしていく」と繰り返した。
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 野口氏は、「東洋のブルーラグーン構想」を実現するための公園整備に要する経費について「鍋山については、私が杉乃井ホテル総務部長時代に杉乃井が持っていて、因縁を感じている。予算を論じる前に、疑義がある。市長になる前の話しだが、市長の親族企業が一時所有し、県外の企業に売却されている。妙な誤解を生んでいるのではないか」と質問。
 長野市長は「皆さんにご心配をおかけしていることに関しては申し訳ないと思っているが、整備をするには、根拠が必要。そのことに対して、しっかりと調査をさせてもらいたい」とした上で、「鍋山は当初杉乃井、その後、千壽さん(故人)が持っていた。兄の会社が3カ月間所有し、現在は上場企業のオーナーが持っている。千壽さんが知らない人には売りたくないということで、一時的に保有し、売却した」と経緯を説明。
 野口氏は、「温泉マネジメント計画」の策定を踏まえて「公的な管理を拡大しないといけない」と指摘した。
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 堀本氏は、温泉マネジメント計画策定について概要を質問。樋田英彦温泉課長が「貴重な資源の温泉の状況を把握し、安定供給と資源確保などをしていくもの」と説明。
 堀本氏は「県と調査を大々的に行い、これを基に計画が策定されるのかと思う。厳しい報告書であり、温泉資源は盤石ではない」と指摘し「計画策定に期待している」とした。
 堀本氏は、鍋山の公園整備について「公約で実施在りきで進めているのではないか。調査の結果を踏まえ、業界の意見や市民の賛否を勘案して、やらないという選択肢もあるのか」と質問。
 長野市長は「結論ありきではないが、やる努力はしていく。何もせず100年引き継いでいけるかというと、そうではない。新たな価値を想像していく。情報を開示して不安を払拭していきたい」と答えた。
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 山本氏は、「鍋山を開発すると温泉が枯渇するという不安があると思う。絶対大丈夫といえるのか」と質問。
 長野市長は「温泉の総量が少なくなっていることを踏まえ、総合的なマネジメントを考えていく中で、不安を払拭する努力を最大限していく」と答えた。
 山本氏は「温泉のマネジメントは大事。順番が逆ではないか」と質した。長野市長は「すべての計画を同時進行で進めている。たまたま同時期になってしまった。全体を把握し、ブルーラグーンの可能性も考えていく」と述べた。
 山本氏は「これまで温泉課中心だったのに、今回は公園緑地課が担当なのは何故か。これまでよりトーンダウンしたのでは」と質問。
 長野市長は「横の連携をとって話している。予算に関しては公園だが、総合的に判断する。ウェルネスツーリズムの価値観も変わってきたと思う。量にこだわるのではなく、別府らしく質にこだわるようにと検討委員会もしている。循環式を一部使うなど、やり方はいろいろあると思う」などと答えた。
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 加藤氏は、「子ども見守りシステム」について概要を質問。宇都宮尚代市民福祉部次長が「子どもが現在や将来にわたって生まれ育った環境に左右されない、1人ひとりが夢を持てる環境を整え、見守り続ける新たな仕組みが必要。各部課が保有する情報をデータベース化し、支援が必要な子を見つけ、適切な支援につなげていく」と答えた。
 加藤氏は「教員の負担が増えないように役割分担をしてほしい。関係機関がどういう役割をするのか」と質問。宇都宮次長が「情報を学校やソーシャルワーカー、関係機関と共有する」を述べた。
 また、東洋のブルーラグーン構想で、泉源を持つ民間の意向について質すと、松屋益治郎建設部長が「これから調査する」と答え、加藤氏は「納得できない」とした。これに対して、長野市長は「調査をしっかりしたことを提示して、是か否か判断してもらう」と述べた。
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 美馬氏は、児童健全育成に関する経費で、放課後児童クラブの指導員への待遇改善について質問。
 中西郁夫子育て支援課長が「収入の3%引き上げる措置を10月分から来年3月分までを継続するもの。国、県、市が3分の1ずつ負担し、委託料に上乗せする」と説明。
 美馬氏は「なくてはならない施設。良いことだと思うが、今後も量の確保、質の向上のため、予算措置をしてもらいたい」と要望。
 美術館の空調整備に伴う工事について「長期にわたっての休館ということで、大変寂しい。建物としては『あす・べっぷ』と一体となっているが、工事は美術館部分だけの改修か。また、美術館の命ともいうべき照明にも問題があると思っているが」と質問。
 柏木正義教育部長は「空調設備は同じ中央方式なので、全館改修工事を行う。一部照明なども行う」と答えた。
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 泉氏は、「東洋のブルーラグーン構想」の実現のための公園整備について「上流域で開発をすれば、下流域に必ず影響が出ると想定できる。湯量などが減少している中で上流域で大型温泉を作る。既存の泉源を使うというが、休止している温泉を再開すると、下流域は減少するのは当たり前。明礬地域の関係者は危惧を持っている。地獄蒸し工房をはじめ、旅館が湯量減少で一時休止したことがある」と指摘。
 「市内の道路の現状をみると、車椅子が通れない場所などが散在する中で、公園設置という名の下で、大型温泉を作るためにインフラを作ることは絶対に認められない」と述べた。
 また「総合的に判断したというが、市街化調整区域であり、保安林の指定を受けている地域。開発は出来るのか。保安林の解除は簡単ではない」と指摘した。
 松屋部長は「大分県と協議をしていきたい」と答えた。