陸自西部方面隊などが「鎮西演習」

オスプレイでケガ人の搬送訓練を公開した

 自衛隊西部方面隊を主体とした「鎮西演習」の前段が2日から9日まで、区域内の各駐屯地(基地)や演習場などで行われており、6日に大分県の日出生台演習場と十文字原演習場での訓練の様子を報道陣に公開した。
 九州地域の安全を確保するための訓練で、方面隊による、島嶼(とうしょ)侵攻が起きた場合の対処能力向上を図るのが目的。平成22年度から実施している、西部方面で最大規模の訓練。
 西部方面隊を主体として、陸上総隊、北部方面隊、中部方面隊の一部などが参加している。
 日出生台では、地対艦ミサイル12SSMを展示。十文字原では、自衛隊のオスプレイVー22を使用した訓練を公開。オスプレイには、固定翼モードとホバリングモード、転換モードがある。現在は、木更津駐屯地に暫定的に配置されている。自衛隊では、「地元の理解を得ながら」を前提に、有用性と運用能力の向上を図るため、訓練を重ねたい考え。九州での訓練は3回目、大分県内での訓練は初めて。
 熊本県の高遊原分屯地から飛行してきて、十文字原演習場に着陸。前線で負傷した隊員を担架に乗せてオスプレイに乗せ、自力で歩ける負傷隊員2人も乗り込んで、離陸した。変換モードのオスプレイは、あっという間に見えなくなった。オスプレイは7日にも十文字原で離着陸訓練を行った。
 一方で、日出生台、十文字原いずれの演習場周辺でも、オスプレイの訓練に反対する人たちが集まっている姿が見られた。また、日本共産党の猿渡久子県議、平野文活、美馬恭子両市議が2日午前10時、別府駅前通りで「オスプレイを使った軍事訓練の中止を求める街頭宣伝」を行った。