「大河」登場人物はご先祖

「ここに祐経が出てきます」と系譜を指す工藤恵美ママ

 別府市北浜1丁目のつるみプレザンビルでスナック「めぐみ」を経営する工藤恵美さん(63)=弓ケ浜町=が今日新聞を訪れ、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にこのほど登場した工藤祐経(くどう・すけつね)のことを「うちのご先祖さまなんです。でも大河に描かれているのは本当の姿じゃない。別府に祐経の子孫がいて、本当の歴史はここだ、ということを知ってほしい」と工藤家系譜をひも解きながら語った。
 「鎌倉殿の13人」は人気俳優、小栗旬(北条義時役)が主演。ドラマでは、曽我五郎が源頼朝と思って斬った相手は、実は祐経で間違って殺害されたと描かれている。しかし工藤ママは、伊東市文化財史蹟保存会が刊行した「伊東むかし物語」や資料館での展示を引き合いに、曽我十郎、五郎兄弟は父の仇と祐経を狙い、静岡県富士見市の音無の滝の近くで祐経を斬ったのが本当の歴史。日本三大仇討ちとして今に伝えられているという。
 工藤ママによると、系譜は家の仏壇にしまわれていて、子どものころから、法事になると良因寺(由布市)の住職から工藤家は祐経の末えいと聞かされてきた。
 「仇討ちで殺された祐経は悪者になっていますが、本当は伊東のやさしいお殿様だったそうです。お酒と女性を愛で、そのため子孫は岩手、秋田、宮崎にもいると聞いています。これを機に遠い親せきたちと連絡を取りたい。兄と私は子どもがいなく、姉は東京に嫁いでいますから、私たちが別府で最後の工藤家です」と工藤ママは話している。