別府市美術協会(荒金大琳会長)は令和4年度別府市美術展ONSENツーリズム賞5点を27日午後4時、市立緑丘小学校(新原克哉校長)に寄贈した。寄贈者、市美術協会、市教委、小学校関係者ら計20人が出席した。
これまで市内の各中学校(統合した浜脇、山の手両中学校除く)に順番で寄贈していた。今回で11回目。
荒金会長が「今後は、全小学校の寄贈を続けていきたいと思います。今回の賞に輝いた人たちは、後輩や次に行く人たちに伝えていってください」。
寺岡悌二教育長は「ONSENツーリズム賞に輝いた5人の芸術家のみなさん、このような貴重な作品を緑丘小学校の児童や教職員のためにいただきありがとうございます。これから生きていく子どもたちにとって、今のような不安定な世界情勢を考えたときに『教育』が大事になってきます。その中でも、芸術的な感性などの力が必要となります。心から感謝します」とそれぞれあいさつした。
寄贈者が今回寄贈した日本画「睡蓮池」(寄贈者、藤澤あさみさん)、洋画「作品No・222」(池島幸徳さん)、工芸彫刻「MUM・切り絵」(秋吉夏月さん)、書道「繋~僕たちの夢~」(狩谷申さん)、写真「双窓」(河野正雄さん)を紹介した。
児童を代表して稲積彩華児童会長(12)が「絵など5作品の寄贈ありがとうございます。この絵を見て感じることは、一人ひとり違うと思います。書道の作品を見て、勢いとすごく自信を感じました。洋画の作品を見て、すぐに『すごいな』と思いました。青でまとめていますが、少し色の違う青や模様があります。写真の作品は少し不思議に思いました。どうしてこの場所を撮ったのかなどの考えが浮かびました。全校児童が作品を見て、たくさんのことを考えて、友だちの意見に共感したり、作品に対して思いを深めたり、多くの人との交流の楽しさを知ることができると思います」。
金子愛児童会副会長(12)が「工芸彫刻の作品は、菊の花を中心にさまざまな柄が入っており、細かくとても切るのが難しそうだったからです。ミスなく切ることはとても集中力が必要と感じました。日本画の作品は、とても綺麗でした。霧が出たもやっとした感じを表現するのはとても大変だったと感じました。睡蓮はとても細かくとても大変だと思いました。5つの作品を全校生徒が見て楽しんでくれると思います」がそれぞれ感謝の言葉を述べた。
新原校長は「小学校の図画工作の時間で『鑑賞の時間』はあります。実物に接する機会は非常に限られています。直に作品に近づいて見たり、離れて見ることの経験はあまりできません。今回、多様な美術品を寄贈していただいたので、ありがたく思います。鑑賞の時間だけでなく、子どもたちが日常的に美術作品に接する機会になるようにします。子どもたちの豊かな感性、想像力の育成につながるように支援と指導をしていきます」と謝辞を述べた。
最後に、出席者全員で記念撮影をした。
作品は今後、緑丘小学校の玄関に飾る。